身体全体が磁石になったような感じで、部屋の中のあらゆる金属が吸い付いてくる。
本日、脳ドックMRI初体験
まず、気になったのがMRIの意味。
Magnetic Resonance Imaging
なんとなくわかる。磁石、反響、イメージ。
医療ドラマでよく見かけるが、どでかいカプセルに身体中突っ込んでガリガリやるやつだ。
なぜ?
理由は3つ。
1つめは去年の同期会だから11月。
消化器系の難病を押して出席してくれた友人を囲んで飲んでいた時に、医療機関に勤めている友人から、こんなアドバイスをいただいた。

「定期検診だけじゃなくて、脳ドックも受けておいたほうがいいよ。問診受けて、頭が痛いとか、めまいがするとか言えば保険診療になるからさ

」
2つめはその1ヶ月後、忘れもしない12月。
小中学時代の同級生が、くも膜下で急逝。
ありえないほどの急逝だったのは、当時の日記に詳しい。
3つめがビジネスでの付き合いのある先輩の入院。これが1月。
3週間ほどで退院を果たして、先日再会を果たしたが、聞くと心筋梗塞でこれといった前兆もなかったようだ。
一病息災、腸にポリープを持っているからお腹から尻の穴までの定期点検はしているが、頭には気を使っていなかった。
たまに、ぼよよんと頭が浮くようなことがあって、“あれっ、地震かな”と思って周りを見ると何も起きていない。
そんな経験をしただけで、弱気になっていた。
かかりつけに予約電話して問診を受ける。
待ち時間3分、診察時間5分。地元でも大変評判の良い患者想いの病院である。

「どしたの?」

「たまに頭が痛くなるんで」

「タマと頭か。笑えるね

」

「いや、タマは痛くないです

」

「じゃ、サオか?」

「どうして患部を下に持ってくるんですか

」

「ん、だってここ泌尿器科だよ

」

間違えた。隣の部屋だった。
脳神経外科の部屋に入る。
とても良い人そうな80歳ぐらいのおじいさん先生。
診察室の脇に業界記事が貼ってあったぐらいだから、相当の名医らしい。

「フガフガ」
入れ歯がずれているらしく、何言ってるかわからない。

「この前、映画を見ていたら突然頭が痛くなって。最近、周りでそんな病気ばかり見てるので気になってるんです」

「ホゲホゲ」

「いや、1分ぐらいで治ってました。その後は何もありません

たまに、耳鳴りがあるかな」

「フォッフォッ。フガフガホゲホゲ」

「お願いできますか?」
こんな感じで1週間後のMRI検査が決まる。
そして今日。
MRI室に入り、検査着に着替えて仰向けでベッドに横たわる。
頭にオウム真理教みたいなのをつけて、「騒音がうるさい」からと、うさぎちゃんのヘッドフォンをかぶせられる。

「20分ぐらいかかりますが、安静にして受検してください。何かあったら、このボタンを押してね

」
いよいよ、おいらの亀に似た大きな頭を挿入、カプセルイン。
初めはスネアドラムのリズミカルな音が流れてきて、いい気分だったが、それを過ぎるとガーガーギーギーグーグーゲーゲーゴーゴーゴーヒロミと、うるさいのなんの。
どれだけうるさいかを例えるなら、毎朝、鳩に餌をあげる迷惑おじさんが報道陣に水をかける時の叫び声ぐらいうるさい。
それでも、自分自身を褒めてあげたいことは、しばらくしたら騒音鳴り響くカプセル内でもウトウトと寝てしまったこと。
いつでも、どこでも眠れる証左
たまに強烈な磁力が身体の中を通り抜ける感覚で、ビビビッとねずみ男になったようだ。
ビビビッが来るたびに、身体全体が磁石になっていく。
ちょうど20分でMRIは終わり、即座に結果が出るので診察室へ移る。
脳神経外科の先生が難しい顔でレントゲン写真を眺めている。

「お、ご苦労さん。どうだった?」
どうだったのかは、こちらが問いたいものだが、ここは先生に敬意を表し、

「今日は入れ歯の調子、良さそうですね

」
さて、結果の発表だ。
脳の中など、自分自身ではちっともわからないので、どうしてもドキドキしてくる。
ワクワクしてこない。
4つの区画に分かれたイメージ画像。

「まずは、左下。新しい出血があると、どこかに黒い影が映る。」
そんなことを話しながら、おいらの頭の中のヌード写真を上から下へスクロール。

「古い出血、過去の出血も、この写真でわかる。」
先生とともに眺めていたが、意外と綺麗なものだ。

「ということで、問題なし。次は右下、血管に詰まりがあるかを見てみる。白いのが動脈で、膨らみや詰まりがあるかどうかを見てみるからね」
こちらも平均的な直径で、血管の詰まりを示すようなイメージは見つからない。

「血管も大丈夫だね。今度は右上。腫瘍とかがあれば、白い影があるからね。」
スクロールしていくと、目玉がちょんぎれていたり、頭骸骨がいびつだったりと面白い。
ふと、白いイメージが現れてきて、もうダメだ〜、なんて思った瞬間、

「この白いのは血管ね。言ってなかったか?」
安心なう。
最後、左上。
いくらポジティブな自分でも、なぜ左上を最後にするんだろう、などという疑念がふつふつと浮かんでくる。何かあるから、最後に左上なんだな。みたいな。

「ここは、頭の形のイメージとか。ま、たいして大事な写真じゃない

」
ということで、無罪放免。

「すると、映画を見ていた時の頭痛とか、ぼわわんのめまいは何?」

「風邪か、ストレスか、疲れでしょ。1日、どんぐらい働いてるの?」

「ノーコメントで

」

「なに?労基署とかにいわれると思ってるの?」

「いや、あくまでも当社比ですが、たまに激務の時があります」

「平均的な御社比はどの程度の業務量なんだい?」

「週2−3日、一日あたり3時間を超えると、“当社比激務”が認定されます

」

「おとといきやがれ」
脳内検査、終了。気になる診察料。
脳ドックみたいなものだと思っていたので、3−5万は覚悟の検診だった。

「6240円です

」
安っ。今度は、安すぎる検診料が気になって仕方がない。

「やっかみ」「嫉妬」 24時間総ネット社会で本格的に花開く
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=125&from=diary&id=3888244
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