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2015年07月12日20:13

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三浦綾子の言葉

啓造は人間というものが、ひどく冷たく、そして愚かに思われた。
「陽子」
陽子はじっと旭川の街をながめていた。
「なあに」
「この街の人々に公平に与えられているものが一つあるよ。何だと思う」
「陽の光?」
「日の当たらない場所に住んでいる人もいるよ」
「一日の長さ?だれにもみな二十四時間よ。一日は」
「なるほどね。おとうさんはいま、こう思っていたのだ。貧しい人にも金持にも、健康人にも病人にも、死だけはまちがいなく公平に与えられているとね」


(三浦綾子『氷点(上)』)
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