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2015年05月18日22:05

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釜ヶ崎、寿町、山谷、そして川崎日進町

JR川崎駅よりは、京急八丁畷駅に近い。
川崎警察署の前を左折して公園に近づくと、焼け焦げた異様な匂いが漂ってくる。
高層マンションに囲まれていながら、その周辺だけポツンと未開発の装いを残す。
道路には黄色い非常線が敷かれ、ブルーシートで覆い隠される吉田屋の玄関(であった場所)。
現場が見渡せる公園には、多くの野次馬と、今宵の宿もなくうなだれている人々。

焼け残った木柱にスマホを向けてシャッターを切っている連中は、どこからやってきたのだろう。
自分でさえ仕事帰り、野次馬の一人ではあったけど、さすがにこの現場を撮影する行為は自制した。
デリカシーは残っていた。そんな自分自身に、ほっと息をついた。

未明の大火で5人以上の命が失われた。
その中で唯一、氏名が判明している宿泊客に思いを馳せる。
48歳、男性。吉田屋宿泊客では最年少者であると、誰かが言った。
違う誰かは、「同じ3階にいて、飛び降りようと声を掛けたんだ。オレは、先に飛び降りたけど奴は降りてこなかった。」そう語っていた。

男性の心の中に、“生き残っても地獄”の思いがよぎったのだろうか。
48年間の生涯、何を切っ掛けにこの地へやってきて、ここに堕ちたのか。
ここに住む多くの老人たちと同じように、近くの立ち飲み屋に寄ることが、唯一の楽しみだったとでもいうのだろうか。
48歳の最期。
映画『海炭市叙景』を思い出す。

多摩川中学生リンチ殺人事件に引き続き、この火災事故も川崎市。
NHKニュースのトップに「川崎市」と語られるのは、今年2度目ということになる。
50年以上もこの地に暮らしている自分には、確実に郷土愛が芽生えている。
しっかりしろ、川崎。

自分の住む「幸区」は、その名の通りに不幸な事件もなく幸せなんだが、およそ1里ほど南へ向かうと「川崎区」の中心地。
堀之内や南町のようにトルコ街なら誰もが良く知るところだが、日進町のドヤ街は寡聞にして知らなかった。
おそらく足を踏み入れたことのない地域である。

ドヤ街から15分も歩けば競輪場に着く。
働きもせず、レースが終われば近くにあるセブンイレブンの店頭で、そして街角にある立ち飲み屋で、精一杯生きた褒美に酒を呑む彼ら。
これが彼らにとっての至福なのか。
何事もなく歳を重ねて、ごく自然に無縁仏となる。
これが彼らにとっての境地だというのか。



衝撃宿泊所火災、遺体発見相次ぐ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3420936
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