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2015年04月22日20:58

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【文学】又吉『火花』★5.

手(チョキ)
太宰治が大好きで、他にもあらゆる日本文学に造詣が深く、なお才能にも恵まれた芸人が真面目に小説を綴っていくと『火花』に描かれるような−いささか面倒くさい−文体になるのだろう。
起こしと結末にこの小説のシンボルとなる“花火”を置き、作中は破天荒な先輩芸人の“火花”を撒き散らす。
会話と会話との間には、象徴的な叙景をはさみ、緩いテーマを補う強い文語体。
心に遺るような内容ではない。それでもなお、このデビュー作には正直、圧倒された。
又吉直樹という、もしかしたら近い将来に村上春樹の存在を脅かすかもしれないほどの末恐ろしい才能に、自分勝手なジェラシーを禁じえない。

久しぶりに読破した新刊だった。
切っ掛けはワイフさんの一言から。
牡羊座「お見舞い、何がいいかな?」
70歳になる審判仲間のひとりが大腸を病み、入院した。
お見舞い係りに任命された紅一点のワイフさんの責任重大。
牡羊座「フルーツとかでいいかなぁ?」
蟹座「内蔵を病んだ人へのお見舞いは食べ物は避けたほうがいいよ」
牡羊座「でも、お孫さんもいるからお孫さんにあげられるよ」
病人の前を通り過ぎるメロンやパイナップル。
蟹座「相手の心には遺らないよね」

海外旅行は苦手だけど、国内の小旅行が好きらしい。そして読書。
酒、タバコが好きで大腸をいじめてきた。
審判はもう引退しており、酒を飲むのが余生だった。
蟹座「お見舞いは本をあげたらどうだろう。丸善に付き合ってあげるよ指でOK」

丸善で選んだのが『行ってみたい日本にある世界遺産』。
大判の写真集だが、親切なマップやアクセスが載っている。
まず、これを1冊。

牡羊座「おとうさん(←おいら)、これどうかなるんるん」
平積みされていた『火花』を手に取って、これもあげようとワイフさん。
蟹座「ん〜、70歳だよね。若手芸人の話みたいだよがく〜(落胆した顔)」
牡羊座「私が読みたいから、読み終わったらもらっちゃう手(チョキ)」

お腹に優しいお茶セットを別に誂えて、お見舞い品の完成。
すでに退院して1ヶ月になるが、ワイフさんによると『日本にある世界遺産』の評判は最高だったらしい。
牡羊座「すごくセンスのいいお見舞いだった、ってみんなの前で言ってくれた泣き顔」
面目躍如。

心配だったので聞いてみた。
蟹座「又吉の小説はどんな感想だったの?」
牡羊座「あ〜、あれはね、なんか言い回しが面倒くさくて途中で読むのやめちゃったって。ほら、もらってきたよ手(チョキ)」
ワイフさんの思惑通り、新刊書が仲間たちの割り勘で手に入った。
牡羊座「どうせ、あたしは読めないから、おとうさん、読んだらあらすじだけ教えてね指でOK」
いつもこうだ。彼女は決して活字を追いかけない。

そして、冒頭に戻る。
つまりは、期待以上の良作。文学賞も取れるだろう。
あらすじを語り合う小説ではない。
だから、ワイフさんには「立派な小説だったよ手(チョキ)」と一言。

フォト
今日のランチ《吉茂登》(よしもと)。
知る人ぞ知る神奈川県でも有名な手打ちそば屋。
京急鶴見からなら徒歩10分ほど、鶴見川を渡って静かな住宅街の一軒店。
見てくれは目立たないが、天下一品。まるで、小説家・又吉直樹のような味のある蕎麦屋だ。
こんな蕎麦屋は、なぜだかどこでも“鴨せいろ”が絶品。
調子に乗って《吉茂登》と書いてみたが、本当は《登茂吉》(ともきち)が正解ぴかぴか(新しい)

老婆心ながら、又吉直樹への助言。
ポプラ小説大賞だけは、辞退してもらいたいげっそり



本■三島由紀夫賞候補、「ピース」又吉さんの「火花」など5作品
(産経新聞 - 04月22日 17:04)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=133&from=diary&id=3384253
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