今年1月。
遥か福岡まで遠征して談春の落語に涙した
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彼の《30周年記念落語》第2弾『百年目の会』全国公演がすでに始まっている。
大ネタ『百年目』は丁稚奉公から大店(おおだな)の一番番頭まで実直に勤め上げた男が主役の人情噺
大船駅下車。
このまま横須賀線に乗り続けて2駅すると、神奈川県随一の観光地、鎌倉駅に着く。
但し、この大船駅も「鎌倉市内」。
商店街には詐欺まがいな鎌倉を名乗った食堂もちらほら。
大船に住む人に話を聞くと、伏せ目がちに「うちは鎌倉市だから」というが、もっと大船観音を誇ったほうがいい。
鎌倉芸術館。
談春もマクラでくすぐっていたが、やはりここも大船である。
その証拠に、松竹大船撮影所の跡地。
すでに誰からも忘れ去られているが、ここには3年間だけ《鎌倉シネマワールド》という、人っ子ひとり来ないテーマパークがあった。
同じく跡地だった隣地には「鎌倉女子大学」のキャンパスがあるが、本当は「大船女子大学」と名乗るべきだろう。
但し、それでは学生は集まらない
千葉県浦安市にあるのに、東京ディズニーランドと騙り続けている某ネズミ集団の遊園地みたいなものだ。
大ホールよりも掲示が大きな小ホール。
前売り売り切れのはずだが、空席がちらほらともったいない。
情報によると、どうやら鎌倉駅付近で談春ファンが30人ほど迷子で保護されているらしい。
福岡で聞いたツカミを除けば、ネタは2本。
前座は置かず、談春2時間半語り続け(中入り15分)。
『桑名船』★4.
途中で談志と圓楽のこぼれ話を挟む間の取り方に感心していたら、客席で傘を倒す音が“カーン”と響く。
それを聞いた談春が「はいはい、落語に戻れってことね

」と毒づいて、圓楽の話題を途中でやめて噺に戻るというハプニング。
傘は入口の傘立てか、座席の下、横におくべきでしょう。
そういえば、おいらの後ろにいたおばちゃんも寄席の客としては似合わない。
談春の語りにいちいち「へぇ」だの「ふーん」だの、相槌をうっている。声に出してまで。
こんなおばちゃんは、オレオレ詐欺の狙い目だ。
明日、電話をかけてみよう。
『百年目』★5.
談春の解説によると、「オチをいじりました。」
おいら的には、とてもしっくりいった良いオチだった。
晩春の帰り道。
前をゆく落語大好きおじさんたちの感想が聞こえてきた。

「上手いんだけど、談春には色気がないね」

「屋形船んところは、もっと芸者を色っぽく描かないとね。あっさりしすぎだ」

「あそこをだいぶ省いたから、オチをつけたしたんだね」
なるほど、岡目八目。
大人になれば、そういう聴き方もあるんだね。
合掌

自分を愛せない人は、人を愛せない
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