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2022年07月16日19:27

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映画日記『日本侠客伝』

2022年7月16日(土)

『日本侠客伝』(1964年)
監督:マキノ雅弘
日本映画専門チャンネル【録画】

ときは大正時代、ところは深川、古くから木場を縄張りに運送業を営む木場政組だったが、親分が病に倒れ、しかも新興の沖山運送が進出してきたことにより、今は凋落の一途だった。
落ち目の木場政組に災難が続く。
ごり押しをする沖山運送へ談判しに行った帰り道、親分が急死してしまう。
そんな折り、5年間の兵役を終え長吉がかえってきた。
小頭となった長吉は、5年間のうちに小さくなってしまった組を立直そうと奮闘する。
しかし、沖山運送の嫌がらせはなおも続き・・・・

『網走番外地』、『昭和残侠伝』と並ぶ高倉健の人気シリーズの第1弾。
見るのは2回目。
後年の様式化された任侠映画と異なり、粋といなせの群像劇。
長吉(高倉健)の幼なじみで、いまは辰巳芸者となった粂次(南田洋子)は、いまでも長吉に惚れている。
そんなことは百も承知で、木場政組の鉄(長門裕之)は粂次姐さんに惚れてしまった。
悪党の沖山兄弟(安部徹・天津敏)の金とは知らずに借金をしてしまった粂次のために、鉄は身体を張って金を調達してくれた。粂次はおもう、長吉のことはきっぱりとあきらめ、明日からは鉄さんと生きようと。
しかし、その夜、鉄は沖山兄弟の手下によって殺された。
木場政には清治(中村錦之助)という客分がいた。
清治は身ごもったお咲(三田佳子)といっしょに木更津のヤクザから追われる身になってしまう。もうこれまでと、お腹の子ともども心中を覚悟したとき、亡くなった木場政の親分に声をかけられた。
恩義ある木場政組が汚い沖山兄弟のために窮地に陥っている。
その夜、ふだんは酒をたしなまない清治が珍しくお咲に声をかけた。
「いっしょに、飲まないか」
ああ、もうダメ。キーボードを打ってるうちに涙が出てきたぜ。
悪党たちの手による理不尽な仕打ちをひとつひとつ丹念に積み重ねていく。
そして、我慢に我慢を重ねた高倉健が刃(ドス)をとる。

短絡的な暴論になってしまうが、日ごろの鬱屈を晴らしてくれたヤクザ映画が撮られない今が、とても不幸な時代におもえてしまう。



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