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2020年10月24日00:56

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映画日記『わたしは金正男(キム・ジョンナム)を殺してない』

2020年10月23日(金)

『わたしは金正男(キム・ジョンナム)を殺してない』(2020年)
監督:ライアン・ホワイト
矢場町・センチュリーシネマ

金正男がクアラルンプール空港で顔面に猛毒物質を塗られ死亡した。
実行犯として若い女性ふたりが逮捕された。
センセーショナルな事件ではあったが、結局覚えているのはそこまで。
その後、逮捕された女性たちはどうなったのか?
そもそも、実行犯のふたりはどんな人たちだったのか?
まったく知らなかったし、さほど興味もなかった。
金正男暗殺事件の全容とその後の顛末を撮ったドキュメンタリー。

女性のひとりはインドネシア人、ひとりはベトナム人。
ふたりとも田舎暮らしや、貧しさから抜け出そうと夢見るふつうの女性だ。
そんなふたりにうさん臭い男たちが言葉たくみに近づいてくる。
やがて、ふつうの女性が知らぬ間に暗殺者へと仕立てられていく経過と、当日の犯行現場の様子を詳細に追っていく。
関係者の証言だけでなく、ニュースやネットのSNSや監視カメラの映像を多用している。
北朝鮮の工作員のひとりが、女性のスマホでバッチリ撮られていたり、彼女たちとのメールのやりとりが残っていたというのも今風だった。
と、ここまでが前半。

後半は、逮捕されたふたりが、結局どうなったのかを追う。
本作の核心はこの後半だ。
前半を見ていれば、彼女たちも謀略に巻き込まれた「被害者」なのだが、マレーシアの法律上は死刑にあたるという。
しかも、国内で白昼堂々と暗殺事件を起こされたとあって、マレーシアの国家としてのメンツが丸潰れだった。
裁判がはじまり、弁護団のがんばりと、マレーシア、インドネシア、ベトナム、そして北朝鮮、各国それぞれの政治的思惑が複雑に絡み合うなか、おもいがけない結末が待っていた。それは・・・・

見終わって、「うーむ」とため息をつくだけだった。
なんとなく、“個人と国家”の問題に収斂されていくような気がするが、うまく感想がまとまらない。
ただし、実行犯のひとりが日本の女性であったら、自分はどう思ったのだろうか?
ということを、一度は考えたほうがよいとおもった。


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