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2020年06月05日23:58

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映画日記『男はつらいよ 知床慕情』『スノーピアサー』

数日前に、全国の映画館の上映番組をつぶさにながめていたら、岐阜柳ヶ瀬のロイヤル劇場が上映を再開していることがわかった。
休館はもっと長引くとおもっていたので、さっそく見に行くことにした。
“全国映画館上映番組調査”という、馬鹿げたことをしなければ、ロイヤル劇場の上映再開を知らないままだった。
“調査”自体はしんどかったが、まさにけがの功名だ。

2020年6月5日(金)

『男はつらいよ 知床慕情』(1987年)
監督:山田洋次
岐阜柳ヶ瀬・ロイヤル劇場

いつものように柴又でひと悶着を起こした寅さんが、プイッと旅に出てしまう。
彼がたどり着いたのは、夏の北海道、ところは知床半島の町、ウトロだった。
寅さんは、そこで無愛想で偏屈な老獣医の順吉(三船敏郎)と知り合い、彼の家に逗留することになった。
やもめ暮らしの順吉のもとには、近所のスナックのママ・悦子(淡路恵子)がときどき顔を出しては、彼の世話をやいていた。
そんなふたりを見て、寅さんにはピンとくるものがあった。
数日して、順吉のひとり娘で、東京へ駆け落ちしたりん子(竹下景子)が舞い戻ってきた。
聞けば、男と別れてきたのだという。
「言わんこっちゃない、あんな、なまっちょろい東京の男なんかと・・・・」と、怒り出す順吉をなんとか取りなしてくれたり、親子だけでは気まずい夕食が、寅さんのくだらない話で笑いが起きたりとするうちに、りん子の中には寅さんに好意以上の感情がめばえていく。
その寅さんは、悦子のスナックを根城にする漁船の船長や旅館の婿養子といった地元連中と、あっという間に遊び友だちとなり、バードウィッチングに船遊びと、知床の大自然を満喫していた。
寅さんは、こんな楽園のような日々がいつまでも続くとおもっていた。
ところがある日突然、悦子が順吉に、スナックをたたんで、故郷の新潟へ帰ると告げにきた。
悦子の言葉に、順吉は何も言えなかった。
事情を知った寅さんは、悦子の切なさと、こんなときにどうしたらいいのか分からない無骨な順吉のために、ひと肌脱ぐことを決心する。
そして・・・・

竹下景子がマドンナ役ということになるが、彼女には申し訳ないが、本作に限っては三船敏郎と淡路恵子の、じれったい恋の行方が見どころだ。
そして迎えたクライマックス、三船敏郎がまるで『椿三十郎』で仲代達矢を斬ったあとのように、鼻をふくらませ、息荒くして放ったセリフが、見る者すべてを幸せにする

見終わったのが午後の2時。
遅い昼食に入った蕎麦屋で、真っ昼間からビールを頼んでしまったのは、暑さのせいばかりではなかった。
飲んだのがサッポロでなく、キリンだったが、久しぶりにうまいビールだった。


JR岐阜駅のホームから見えるビルの電光掲示板に、気温が33℃とあった。
名古屋に戻って、もう1本見るつもりが、一杯引っかけてしまったので、ちゃんと起きてるか心配だったが、この暑さのおかげで、アルコールが蒸発したみたいだ。


『スノーピアサー』(2014年)
監督:ポン・ジュノ
今池・名古屋シネマテーク

再見。
あらためて見たら、階級間の争いの映画だった。
話のスケールが大きくなり、そのぶん図式的になってしまったような気がする。
ポン・ジュノ監督というのは、今回の特集上映で見た『ほえる犬は噛まない』や『母なる証明』のように、ちまちました世界を、緻密に撮った作品のほうが面白いとおもった。
ティルダ・スウィントンの怪演は見どころだ。


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