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2024年02月05日20:33

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映画を見ない日の出来事420

映画を見ない日の出来事420

朝から陰気な空模様で、ずっと雨が降っている。
少し前に、マイミクさんが

「信じてないけど一度は幽霊見たい。マイミクさんで心霊体験した人なんているのだろうか?・・・・」

と、つぶやいていたので、「幽霊はありませんが、金縛りはありますよ」とコメントした。
幸か不幸か、まあ、幸だろうが幽霊と出会ったことはないが、金縛りは二度体験している。
そういえば、ひとつは今日みたいな冬の陰気な日だった。
ちょうど昭和と平成の変わり目の頃だったろうか、どういうわけか冬の北海道で流氷が見たい!!と思い立って網走を訪れたときのこと。
すっかり日が暮れたころに、網走駅前のビジネスホテルに投宿した。
その夜はわずかばかりの街灯に照らされた雪道を歩いて、炉端焼きみたいな居酒屋で夕食をとり、あとは寝るだけだった。
ホテルの部屋に戻ると、階上の部屋だろうか、ドンドンドンと大きな旅行鞄みたいなもので床を打ちつけるような音が聞こえた。
ちぇっ、うるせいなあ、と舌打ちしてベッドにもぐりこんでからも、しばらくドンドンしてたが、眠気が来たのか騒音が聞こえなくなった。
このまま眠れそうとおもったとき、冷気が足もとから押し寄せてきて、そのまま動けなくなった。
妙なもので、即座に「あっ、金縛りだ」とおもった。
とにかく身体が動かない。ずっと天井を見てるだけ。
その天井には暗いオレンジ色のルームランプがポツンと点いていた。
薄暗い部屋で、そのルームランプをけっこうな時間見つめているうちに、眠ってしまった。
朝になったら、何ごともなく、ふつうに起きた。
それでも、金縛りにあったことはちゃんとおぼえていた。
不思議なこともあるなあ、とおもいながら、そうだドンドンドンと音が響くものかと、床や壁を足のかかとや手の平で叩いてみたのだが、木造旅館でもないコンクリの部屋だったので大層な音が出ることはなかった。

二度目は、網走の夜から4〜5年経った名古屋でのこと。
半袖だったから、夏場だろう。
職場へ東京から来客があり、その夜は痛飲。
自宅へ帰るのが面倒くさくなり、名古屋の駅前にあるビジネスホテルに泊ることにした。
部屋に入って、シャワーも浴びずにバタンキュー。
ベッド横の調光ランプを絞ってたので、部屋はもともと薄暗かったが、気がつくと前よりもっと暗くなり、暗さのなかに淋しさがあった。
たとえるなら、身内に不幸があった夜、なんとなく部屋の照明がいつもより暗く感じるときみたい。
そして、足もとから人がズルズルと這い上がってくる気配がした。
「うわぁ、来た!!」と思った途端に、人が覆いかぶさってしまった。
人の重みで身体が動かない。
そのとき、覆いかぶさってきた人が男であると分かった。
それも中年で、ぬるっとした感じだったので裸かもしれない。
そして、その中年男が口をあけ、私の顔を間近からずっと覗きこんでいた。
それが、どのくらいの時間だったか分からないが、そのうち眠りについてしまった。

後年になって、金縛りが過労やストレスが引き金になって起きる「睡眠麻痺」と呼ばれる症状であることを知った。
たしかに、私が体験した金縛りも「睡眠麻痺」だったとおもう。
とはいえ、とりわけ名古屋の駅前での出来事は、今でも思い出すたびにぬるっとした感覚がよみがえり、鳥肌が立ってしまう。

網走は数年前の夏に再訪した。
このときも駅前のビジネスホテルに泊ったが、30数年前のことなので、あのときと同じホテルなのか、分からなかった。
名古屋の駅前ホテルは、リニア新幹線に伴う名駅周辺の再開発のためだろう、数年前に取り壊しとなり、いまは更地になっている。



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