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2023年05月12日23:21

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映画日記『フリークスアウト』『MEMORY メモリー』

久しぶりに、アクション映画の金曜日だ。
しかも2本立て。

2023年5月12日(金)

『フリークスアウト』(2023年)
監督:ガブリエーレ・マイネッティ
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

舞台は第二次世界大戦中のイタリア、見世物小屋で巡業しながら、ほそぼそと暮らしている毛むくじゃらの怪力狼男、自由自在に虫をあやつる優男、おどけたピエロながら実は全身が磁石という小人男、そして我らがヒロイン発電美少女マティルデ嬢、このファンタスティックな4人組が、ナチス・ドイツ軍相手に大暴れ!!

という、ボンクラ中学生が夢見るようなストーリー。
ああ、それなのに、なんなんだこの面白さは!!
なんといっても、マティルデに扮する新星アウロラ・ジョビナッツォに釘付け。
愛らしい顔とは不釣り合いなハスキーボイスがチャームポイント。
発電少女の悲しみに、おもわずもらい泣きしてしまったぜ。
そんな彼女が平成ガメラとなって、ナチスのゲス野郎どもに、満身の怒りを込めた一撃を放つ!!!!
まあ、何を言ってるのか分らないかもしれないが。
さらには、ほとんどが「五体不満足」という反ナチ・パルチザンの一党も大活躍。
いっぽう、敵役となるナチスのサーカス団長を演じたフランツ・ロゴフスキも秀逸。
一度見たら忘れられない、しゃくれた顎が特徴の俳優さんだ。
じつは彼も、奇妙な予知能力と6本指ということで、世間から奇異な目で見られていた。
そのコンプレックスの裏返しが、ヒトラーという絶対的な権力への憧憬と忠誠となっているところが、本作のような、ある意味とても馬鹿馬鹿しい映画に深みを持たせていた。
痛快作にして傑作!!

追記:山高帽を頭にのせているマティルデは、あきらかにフェリーニ監督の『道』(1954)に登場するジェルソミーナへのオマージュだろう。


続いては、ここ数年、彼が主演するアクション映画が封切りになると欠かさず駆けつけている、私にとっては「金曜日の男」、リーアム・ニーソンの最新作。

『MEMORY メモリー』(2023年)
監督:マーティン・キャンベル
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

さすがのリーアム・ニーソンも御年71歳、老いがあちこちにあらわれる。
今年の3月に見た『ブラックナイト』でも、非情なエージェントながら小っちゃな孫娘にメロメロのお爺ちゃんという役で、調子が狂ってしまった。
ところが、本作のリーアム・ニーソンは、その老いをいい意味でストーリーに活かしている。

凄腕の殺し屋アレックス、彼にも老いが押し寄せてきた。
老いだけでなくアルツハイマー病も発症してしまった。
薄れていく記憶の中、最後の仕事と請け負った仕事、それは13歳の不幸な生い立ちの少女殺しだった。
俺のルールに子ども殺しはない!!
しかも、とばっちりで罪のないひとりの娼婦が殺された。
怒りに燃えるアレックスは反撃を開始する。
いっぽう、FBIとメキシコ警察の刑事たちが、金持ち相手の売春目的で、貧困家庭や不法滞在の少女たちを人身売買している組織を捜査していた。
やがて、殺し屋アレックスと正義に燃える捜査官たちが交錯し・・・・

『フリークスアウト』に続き、こちらも傑作。
見どころは、殺し屋アレックスに扮したリーアム・ニーソンのボケ芝居。
芝居とはいえ、まだらボケにおろおろする姿が痛ましい。
一転して、老骨に鞭打ってのアクションシーンには感服する。
終盤からの、エッ?!となる展開と、ひねりの効いたオチに、ふたたび感服。
正直、前作が残念な出来だったので、見る前はさほど期待してなかったが、金曜日にふさわしい大満足の1本だった。

ところで、来月になるとリーアム・ニーソンが探偵フィリップ・マーロウを演じる『探偵マーロウ』が公開される。監督がニール・ジョーダン。
封切り日の6月16日、私にとっては決戦の金曜日。



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