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2023年02月01日22:34

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本●「車窓のことば」

本●「車窓のことば」(世界文化社)
真島満秀 写真・文

読了。図書館で借りてきた1冊。
読了、といってもページのほとんどが鉄道写真で占められ、ときおり思い出したように旅や鉄道にまつわる短文が添えられている。
著者の真島満秀は有名な鉄道写真家。
「青春18きっぷ」のポスターなどで、彼の写真を見た人は多いはず。
テレビでよく見かける鉄道写真家の中井精也は彼の弟子のひとり。
残念なことに、2009年に63歳で亡くなった。

春夏秋冬、桜、新緑、田植え、夏雲、紅葉、そして雪と氷、海あり山あり都会あり田舎あり、朝あり昼あり夕あり、そして帳がおりた夜がある。
日本各地のさまざまな風景の中を、列車が走る。
彼が撮った写真一枚一枚に旅情を感じる。
とりわけ、かなりのページを割いた「駅の風景」と題したパートはじっくりと眺めた。
映画も好きだが映画館も好きと同じように、鉄道も好きだが駅も好き。
朝もやのなか、ひとりホームに立つ男子高生が自分の足もとを見つめている。恋か受験か、なにか悩み事でもあるのだろうか。
何気ない1枚が、見てる私をドラマの世界にいざなう。
同じ朝の駅でも、ランドセルを背負った集団登校の小学生が一列になって線路を横切っていく姿が愛らしい。
朝の尾道駅近くの踏切を、自転車に乗った女子高生の一団が駆け抜けていく。青春映画のワンシーンみたい。こちらは愛らしいというより、溌剌とした1枚だ。
細かい雨が降る山あいの小さな駅、群青色に暮れていくのホームに、濡れた跨線橋が灯をうけ白く浮かびあがっていた。晴天の昼間なら、気にも留めない跨線橋が妙に艶めかしい。
私も旅行へ出かけるときは必ずコンパクトデジカメを持参し、停車駅で妙ちきりんなラッピング列車や、特別仕様の特急や観光列車などを撮っているが、まあ、撮ってるだけのしろもの。いわゆるメモがわり。
いつの日か、本書のような、見てるだけでジーンとくる鉄道写真を撮ってみたいものだ。



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