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2021年11月03日23:34

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映画日記『ゴースト・ドッグ』

2021年11月3日(水)

『ゴースト・ドッグ』(1999年)
監督:ジム・ジャームッシュ
矢場町・センチュリーシネマ

「葉隠」とサムライに心酔する殺し屋、人呼んでゴースト・ドッグが、マフィア一家の身内同士のいざこざに巻き込まれてしまい・・・・

日本人にとっては「葉隠」を持ち出した時点で、どうしても珍品に見えてしまう。
とはいえ、ゴースト・ドッグに扮したフォレスト・ウィテカーが日本刀の鞘を逆さまに腰に差していたり、芥川龍之介の「羅生門」や「藪の中」が出てきたり、鈴木清順の『殺しの烙印』で見たようなシーンがあったりと、ヘンな日本趣味にニヤリとなってしまう。

見どころは敵役になるマフィア一家の面々。
マフィアといっても爺さんばかり。
よたよたと階段をあがるだけで息があがってしまうという体たらく。
知らない役者ばかりだが、しゃべり方やヘアスタイルやヤクザっぽい衣裳の着こなしが見事に決まっている。
そして、一家のボスを演じていたのが、ヘンリー・シルバだった。

その昔、中学生のときに、3本立ての1本でヘンリー・シルバの姿を見た。
タイトルもストーリーもまったく覚えていないが、モノクロだったことは確かだ。
ライフルを手にした殺し屋を演じていたとおもう。
金壺眼の冷酷な風貌は、一度見たら忘れられない。
この1本で彼の顔と名前を覚えてしまった。
まさか、ジム・ジャームッシュの映画でヘンリー・シルバに出会うとは!!
1928年生まれのヘンリー・シルバは、本作公開時71歳だった。
老いたりとはいえ、昔のままの金壺眼で、もうそれだけでうれしくなる。
そして、意外といっては失礼だが、ヘンリー・シルバは93歳となった今もご健在とのこと。重ねて、うれしくなる。

楽しかったジム・ジャームッシュ特集も今回でおしまい。
近作の『デッド・ドント・ダイ』(2020年)と『パターソン』(2017年)は封切り時に見てるのでパスしたが、今になって後悔をしてる。
とりわけ『ゴースト・ドッグ』を見て、『デッド・ドント・ダイ』の日本刀を振り回すティルダ・スウィントンがもう一度見たくなった。



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