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2020年01月15日00:41

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映画日記 『九十九本目の生娘』

2020年1月14日(火)

『九十九本目の生娘』(1959年)
監督:曲谷守平
日本映画専門チャンネル

目を疑うようなタイトル。
生娘なんて言葉を堂々と使っているのにも驚くが、娘さんの数え方が「人」や「名」でなくて「本」だ。
私が無知なだけで、そういう数え方があるのだろうか????

舞台となる岩手県の山奥で、都会からやってきたグラマー美女ふたりが行方不明になった。
いっしょにやってきたチンピラ風の男友だちが、怪しい老婆をとっ捕まえて駐在所まで連れてきたが、油断したすきに逃げられてしまった。
奇妙な事件に、地元警察署の若き警官が捜査にあたることになった。
そのころ、行方不明事件が起きた村では10年に一度の神事「火づくり様」が行われようとしていた。
謎に包まれた「火づくり様」、それは長きにわたって隠れるようにしてこの地に住む、ある一族の秘密の儀式だった。
10年に一度、一族は妖刀を1本ずつこしらえて、神に捧げていた。
ただし、鍛えた刀の焼き入れに使うのが水ではなく、なんと生娘の生き血だった。
グラマー美女たちはその生贄だ。
無惨に斬られた、ふたりの血の中から引き上げた刀を見て、一族の長老がうめいた。
「失敗じゃあ、あのふたりは生娘ではなかったのか・・・・」
こりもせずに、ふたたび妖刀作りが再開される。
生娘の血を求め、古来より数えて99本目の妖刀のために、若き警官の恋人でもある署長の娘さんが狙われた・・・・・

という、耳を疑うようなストーリー。
当然、つっこみどころも満載だ!!
そもそも、グラマー美女のひとりを三原葉子が演じていた。
派手ななりをして、チンピラのあんちゃんたちとつるんでいる時点で、生娘とおもうほうが間違っている。
クライマックスが一族の男たちと警官隊との死闘だった。
高台に陣取った一族の男たちが一斉に弓矢を放つ。
えっ、弓矢?!
頭上に持ち上げた大きな石を、警官隊に向かって投げ落とす。
微妙な違和感ののち、数秒遅れで気づいた。
庭石みたいな大きさの石が、持ち上がるわけないだろう。
いっぽう、警官隊の指揮官が「威嚇射撃開始!」と命じる。
ところが、警官隊は威嚇射撃どころか、一族の男たちを次々と射殺していったのには、唖然となってしまった。

まことに、いかがわしい映画ですばらしい。
新東宝映画らしい珍品映画だ。
主演の若い警官を新人時代の菅原文太が演じていたのも見どころ。
まあ、見どころというほどの芝居はしてないのだが。

原作は「九十九本目の妖刀」という推理小説だ。
タイトルの「妖刀」を「生娘」にかえただけで、俄然見る気にさせる。
『九十九本目の生娘』もそうだが、『女体渦巻島』や『海女の化物屋敷』といった、おもわず劣情を催すような新東宝映画のタイトルは、いったい誰が考えていたのだろうか?



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