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2019年11月02日01:27

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映画日記 『蟹の惑星』 『春画と日本人』 『IT/イット THE END 〜』

2019年11月1日(金)

『蟹の惑星』(2019年)
監督:村上浩康
駅西・シネマスコーレ

昨日見た、『東京干潟』に続き、多摩川河口の干潟を舞台にしたドキュメンタリー。
本作は仕事を定年退職してから10数年間、河口の蟹を観察し続けている爺さんが主人公。
河口から潮が引き、干潟があらわれるととたんに泥の中から、いっせいに蟹が這い出してくる。
これが、想像以上にもの凄い数だ。
蟹の数と、その生態に圧倒された68分間。


『春画と日本人』(2019年)
監督:大墻敦
駅西・シネマスコーレ

なにしろ「春画」だ。
これはぜったい見なくちゃ!!となったのだが、なんというか、私が求めていた映画とまったく違っていた。
数年前に大英博物館で大規模な浮世絵の「春画展」があり、大盛況だったというニュースは覚えている。
その後、日本でも同内容の「春画展」を開催しようとしたのだが、どこの美術館も尻込みしたり、横やりが入ったりで、会場が決まらない。
結局、熊本藩細川家所有の永青文庫美術館で開催され、記録的な動員となった。
そのあたりの事情を関係者の証言を交えて語られていく。
端的に言って、大英博物館で開催したのだから、日本でも国立の美術館や博物館で「春画展」をしてもよさそうだが、なかなかそうはならない。
すでに日本が世界に誇る宝といっても過言でない春画の実物を、本家本元の日本で見ることができないというのはいかがなものかという、いわば啓蒙の映画だった。
素人考えでは、単純に「18禁」にすれば、各地でちょこちょこと「春画展」を開催してもよいとおもうのだが、むつかしいのかなあ?

本作は美術家や学芸員の話が続く無味乾燥な映画かといえばそうでもなく、見どころもあった。
特に、歌麿(だったとおもう)の名品を、現在日本でトップクラスの彫師と摺り師が再現するというシーンが興味深い。
女性の櫛できれいにすいた艶やかな日本髪を再現することは、現在の彫師でも可能だった。
しかし、髪の毛はできても、下の毛がどうしても再現できない
日本髪のゆるやかな曲線を彫り上げることができても、下の毛のふるふるとそよぐような縮れが表現できないのだ。
元の作品と、再現した作品を見比べるシーンがでてくる。
素人目にもその違いは明らかだった。
彫師いわく、「神業だ」。

神業かあ、一度ぐらいは実物を見たいものだ。


『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019年)
監督:アンドレス・ムシェッティ
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

あれから2年、待ちに待った『IT〜』の完結編だ。
喜び勇んで映画館へ駆けつけたのだが、たった2年前のことなのに、前作のことをほとんど覚えていなかった。
もともと頼りない記憶力が、加齢にともない、とうとうザルになってしまった。
したがって、誰がだれなのかさっぱり分からず、前半がつらかった。
しかし、後半になると私のようなボンクラが大喜びする展開になっていく。

なんといっても、全裸ババアに度肝を抜かれた。
ババアの出現に「うぇ!」と恐怖と気持ち悪さで顔をしかめてしまった自分に、後から苦笑いをしてしまった。
あのババアはM・ナイト・シャマラン監督の『ヴィジット』のもじりだろう。
クライマックスのピエロのペニーの造型は、『遊星からの物体X』を下敷きにしている。
その他にも『ハエ男の恐怖』とか『エイリアン』といった過去のホラー映画から引用したようなシーンが出てくる。
もちろん『キャリー』や『シャイニング』を彷彿とするシーンもあった。
ラストは『エルム街』だ。
あきらかに作り手たちが楽しんでいる。
肩の凝らない映画で楽しかった。

ジェシカ・チャスティンが出ていたのにはびっくり。
彼女は、こういう映画にも出るんだ。


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