ステージにあがると・・・・男性と女性で異なる反応。歓声をあげているのは主に男だが・・・・女の人の反応は微妙な空気。一緒になって「かわいいー!!」などと声を上げている女性もいたが・・・・
それを袖で見ていた燿は頭を抱えた。
女性票はハナから諦めていた。しかし現実に本当に女性の反応が薄いのはやはり応える。
刹那、燿の携帯にメールが。響介からだ。
『兄弟やべーぞ。おいらのまわりに女の子がいっぱいいてウハウハなんだが・・・・そんな事はいいんだけど、やっぱしやっかみがおおいな。「そうまでして男票が欲しいのか」みたいな』
響介「はぁ・・・・」
深い溜息。これも分かっていた事だったが・・・・クるな。これは。実際はステージにいる3人なのだが。響介に「わかっている。撮影をはじめてくれ・・・・」と返信しておいた。
曲がかかり、3人は横並びに並ぶ。この空気の中でも歌いきってほしい---------------
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『真夏のCROSS-OVER LOVE』
作詞作曲:御調 乃愛
真夏の照り付ける太陽 新しい恋が動き始める
真夏の太陽、快晴の空 浜辺で出会ったあの人に 私は恋に落ちたの
髪型変じゃなかったかな? 水着似合ってるかな? 笑顔出来てるかな?
彼は笑って何も答えず ただ一緒に遊んでくれた
だけど私 彼の横にいて いいのかな?
真夏のCROSS-OVER 私の恋は走り出したの
このまま走り続けていいよね? 夏休みの浜辺で
真夏の恋は もう 抑えられない 恋の 鼓動
アツイ恋は始まったの 真夏の バケーション
(間奏)
恋の始まりは意外とお決まり 足をくじいた私
たまたまとおりかかった彼が 介抱してくれた それだけなのに
お礼言えたかな? 変な事言ってないかな? 気になって仕方がない
私は緊張して ただ横に居るだけ
だけど私 この恋に 賭けたの
真夏のSUNSHINE-LOVE もうこの心は止められない
このまま寄り添っていいよね? 夕暮れの浜辺で
真夏の恋は そう もうはじまっている 胸の鼓動は
アツクてドキドキの 真夏の バケーション
(間奏)
でも今日が終わってしまえば もう終わり
たった1日だけの 私の恋だったけれど
この海で出会えて嬉しかったの
でも でも このままなんて イヤだ
(間奏)
真夏のサマーバケーション 1日だけの恋
だけど彼は笑って連絡先を教えてくれた
まだ繋がっていられる? これからも会える?
これからも続く恋 走り続ける CROSS-OVER LOVE
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曲が終わって燿は客席の反応を窺う。
拍手はしてくれているが・・・・正直微妙だ。
響介にメールで回りの感想を聞いてみる。響介の返事は「曲はよかったけどねぇ・・・・?」という話声ばかりだったという。
やはり女性票はダメだ。男票なら大丈夫かと聞かれるとそれも怪しい。
ステージから下がってきた3人に「お疲れ様。控室へいこう」と控室へ行こうとしたが、3人は会場の空気が微妙なのを聞いてきた。3人も感じたらしい。場の空気を。
燿「響介からのメールで聞いたんだけど、女性票はやはりダメそうだ」
輝莉「じゃあ男の人は?」
燿「・・・・わからない。あざとくて引かれた可能性も捨てきれない」
乃愛「では・・・・私達・・・・ダメでしたか?」
星名「ライブ自体は失敗した感じはしなかったけどねぇ」
その通り。3人はこの妙な場の空気の中、よくやってくれたと思う。ここで落ちても彼女達を責めるのは筋違いだ。責められるは・・・・この作戦にゴーした自分なのだから。
燿「とりあえず控室に戻って着替えよう。いつまでも水着のままというのもね」
------------------------------------SCENE3へ------------------------------------
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