家に帰ると両親は玄関前で待っていた。今日の特訓をサボって起こられるかなとちょっと恐る恐る行くと、別に怒られはしなかった。むしろ、驚かれた。
「灯莉?その弓・・・・」
「適合したのね」
未だに淡い光を宿すレインヴィルをみてそう呟く。「おめでとう」と言いながら。
おめでとう?母親からその言葉を久しぶりに聞いた気がした。最後に聞いたのはいつだっただろう。もう遠い記憶の彼方だ。だから久しぶりにその言葉をきけて、自然に微笑む事もできた。
「おめでとうだね。明日はお祝いに仕事帰りにケーキを買ってきてあげるよ」
父親は祝う気満々だ。
「灯莉。資格者となったからといって修練を怠れば、きっとレインヴィルも資格を剥奪してくるでしょう。練習に励みなさい」
灯莉「はいお母さん。ところで・・・・この狸、飼ってもいい?この子のおかげでもあるの」
「灯莉、狸のおかげなのかい?」
「事情は分かりませんが・・・・狸ですか」
灯莉の胸に抱かれているぽん太を母親はみる。つぶらな瞳で「きゅ〜♪」となくぽん太。「うっ・・・・」と呻く母親----------
「狸なんて飼った事など・・・・」
ぽん太「きゅ〜♪」
「うっ・・・・。」
ぽん太「きゅ〜♪きゅ〜♪」
「・・・・・・・・・・・・いいでしょう。きちんと世話は自分でなさい」
ぽん太の猛アピール??で灯莉の母親も根負け??してめでたく??理条家の一員となった。灯莉が学校にいっている間は母親が世話をする事になりそうだが、まぁきっと仲良く??なってくれるだろう。
ぽん太のおかげ?でレインヴィルに適合した灯莉。授業中に頬杖をついて教室の窓をみる。
数日経った今でもレインヴィルは淡い光を放っている。一体何が適合の引き金だったのだろうか・・・・。
実力?それとも実戦経験か?それは分からない。しかし妖魔や魔王との戦いに大きな戦力になってくれるに違いない。
一度は逃げ出した弓の鍛錬は、家出の日の後も続けている。
何故今まで適合できなかったのか。そしてどうして適合があの夜だったのか-----------
いくら考えても答えは出なかった-----------------------
-------------------------------------FINALへ-------------------------------------
ログインしてコメントを確認・投稿する