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2015年10月18日13:56

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<続き>関西スクエア クロストーク「琉球独立を問う」

前半の白井聡氏と松島泰勝氏の対論の続きです。
会場からのいくつかの質問に答えました。

<白井>
「独立琉球」の位置取りについての質問が多くありました。

<松島>
私は非武装中立の国を考えています。バルト海のオーランド諸島は、ロシアが近くにあって紛争が絶えなかったのですが、中立にすることによって平和になった、という事例もあります。
私は日本の周辺国の学者たちと琉球独立について研究・意見交換もしていますが、中国では琉球を奪還する、といった話はない。台湾も琉球は日本の一部であるべきではない、という見解。
パレスチナが国連でオブザーバーとして認められているのですから、アメリカや日本が反対しても、他の国々が国家として承認すれば可能です。

<白井>
現在の沖縄の現状分析について、の質問ですが、哲学者の高橋哲哉氏が積極的に本土で米軍基地を引き受けよう、と発言しています。
彼はいわばリベラル左派の立場であり、今までこういった思想の人々は「沖縄の米軍基地に反対、日本の基地にも反対」という見解でした。
しかし、現実的には日米安保条約を考えると、その破棄は無理、ならば本土のどこかで基地を引き受けるべきだ、と発想の転換を言っていますね。

<松島>
琉球が独立すれば、基地の返還は可能です。フィリピンはスービック基地をなくしました。
じゃ、本土の基地はどうするか? それはヤマトで考えなさい、と。

<白井>
沖縄独立は対米従属にクサビを打ち込むことになるのではないか、と思います。
今、問題は、日本の「対米従属」が見えない構造になっていること。
暴力としてのアメリカーつまり日本を打ち負かしたアメリカですねーと、文化としてのアメリカがあります。
だが、本土の基地が減り、沖縄へ行き、暴力としてのアメリカが見えにくくなってしまっている。
しかし、アメリカはずっと暴力的であり続けた。なのに、日本本土はその暴力をやり過ごしてきた。基地を提供しますから、と言って沖縄に押し付けて来た。
沖縄が戦後日本の根本的な批判者の位置を占めるのは当然です。
私は沖縄独立が、精神的健全性を取り戻すきっかけになるのでは? と思います。

育鵬社の社会科教科書をすすんで採用している自治体があるのはなぜでしょうか? という質問が来ています。

<松島>
石垣市、与那国町は育鵬社を採択しています。与那国町では自衛隊基地を誘致していますね。
進んでこういうことをやる、というより、ヤマトの運動体とのつながりがあると思います。公的、私的な組織が、住民を分断して組織するという図式になっています。

私が言っているのは「所属論」ではなく「独立論」です。
さきほど白井先生は「日本が沖縄を失うとき」という表現をされましたが、あれはこちらに言わせれば「失う」のではなく人間性の回復です。
同胞がなぜ、日本から出ようとしているのか、考えてほしい。
かつて日本は軍隊で琉球をつぶし、国王を東京へ拉致しました。
琉球の我々で政治決定すべきです。

<白井>
沖縄の問題を「わがこと」として考えて初めて、いろんなことが見えてきました。

辺野古問題は民主主義国家としての日本の品格が問われています。
沖縄問題を考える人間が増えれば増えるほど、日本の品格も上がる、そう思っています。


・・・休憩も含めて2時間、「沖縄」について、とても濃い充実した内容の対論でした。
特に白井氏が、「日本は沖縄を失うことで、近代国家のなんたるかを知るだろう」と発言し、沖縄出身の松島氏が「失うのではない、琉球の回復なのだ」とやんわりと反論したところなど、マイノリティーからの世界の見え方、というものを考えさせられました。
わたしも個人的には翁長知事も、沖縄が独立するならばその道も応援したい。
それは逆にそうせざるをえない、日本社会の偏狭さを改めて考え直す機会なのかもしれません。
(10月15日、大阪・中之島フェスティバルタワー)
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