『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ / 宿命』 「運命の悪戯」なんて書くとどうにも安っぽいが、やはり作り話には効果的なのだろう。気ままに移動遊園地のライダーとしてその日暮らしをしていた男に突如<責任感>がわく。他にも選択肢はあったはずだが、岐
『素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー』 いまでもアシモ登場時の衝撃を覚えている。それまでのロボットのイメージを覆す(まるで人間が入っているような)滑らかな動き。日本では介護ロボットの研究も進んでいて、この映画が長編初監督のジェイク
『V/H/S シンドローム(V/H/S)』 低予算ホラーの常套手段として定着してきた感もあるPOV(Point of view)形式。手軽にリアルさと恐怖感を出せる手法の発明は革命だったかもしれない。 撮影機材の発展・普及は映像作りを一変させた。出来
『25年目の弦楽四重奏』 順風満帆に見えるユニットにも、その内情は誰にも分からない。人は各々属する社会の中で役割を持つ。その中で自分の能力・実績が正当に評価されているかは誰しも気になるところだろう。適材適所とはいうけれど、全ての人が<今いるポ
フィンランドが生んだシンフォニック・メタルの雄(雌は知らん…笑)、Nightwishの日本公演が行われた。約五年ぶりの来日公演だったわけだが、パーマネント・ヴォーカリストが脱退しサポートメンバーのフロール・ヤンセン(オランダ人、元アフター・フォー
不定期連載、最終回(笑)最後は特別上映の『リアリティー』 マフィアの実態を描いた『ゴモラ』で2008年カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞したマッテオ・ガッネーロ監督に、再びカンヌがグランプリを与えた作品(2012年)。『ゴモラ』の後ゆえ硬派な社会派
「フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣」展 多くのマイミクさんがこの展覧会をご覧になったようで、幾度もポスターにもなっているこの画像を目にするにつけ「自分もこの機会に見ておくべきではないか」という強迫観念とサブリミナル効果
『ビル・カニンガム&ニューヨーク』 なんとも痛快なおじいさんだ。カーネギーホールに賃借し、颯爽とNYの街を自転車で駆け抜け、いつでもどこでも狙った獲物(?)は逃さない。NYタイムズにコラムを持つ名物ファッションカメラマン、ビル・カニンガムを追っ
不定期連載もそろそろおしまい。『赤鉛筆、青鉛筆』 教師を扱った作品は数多く、日本のテレビドラマにも名作と呼ばれるものは数知れず。この映画も教師と生徒の問題を扱っているものの、面白いのは生徒が教師に感化されることよりもむしろ教師の成長や変化に
『きっと、うまくいく』 学生時代の友人はとても大切。社会人となって<利害関係>が出来てからとは違う重みがある。この映画の主人公たちは10年前に同じインドのエリート工科大学に入学し、知り合った三人のバカたち。困った時はいつでも脳天気に邦題となっ
不定期連載もだいぶ先が見えてきた。もうちょっとだ…。『日常のはざま』 なんて悲しくやるせない話か…。 貧しい家庭ゆえ父親とシロップ売りをして生活費を稼ぐナポリに住む少年が理不尽な事件に巻き込まれる。カモッラ一味の地域ボスの女が
『愛さえあれば』 イーダ(トリーネ・ディアホルム)はガンの闘病を終えて<生>を得たはずなのに、心は落ち着かない。愛する夫の待つ家に帰宅して気がつくのは失ったものばかり…。 スサンネ・ビア監督が米アカデミー外国語映画賞受賞後に放つ期待の新作。
まだ続きます。イタリア映画祭2013(不定期連載…笑)『家への帰り道で』 今回のプログラムの中では、サスペンスタッチの娯楽色強い作品。経営する零細工場の売り上げが不安定なため、ヤバイ裏家業に手を染める主人公。仕事そのものは簡単な運び屋だったが、
イベントつきの試写会に当選。会場は配給会社の試写室。映画上映の前にイベントがあるらしい。マスコミも多く駆けつけていて、期待値もあがる。 「いったい、どんな有名人が?もしかして日本版ポスターを描いた楳図センセイかなぁ…」そんな期
『ザ・ディープ』 B級のパニック映画のような邦題だが、1984年に実際にアイスランド沖で起きた海難事件を基に描かれたもの。(同名のニック・ノルティ主演映画とは別物)前半の苛酷なサバイバルと後半の驚く展開が見もの。 冬のアイスランドの海の冷
『セレステ∞ジェシー』 タイトルは『セレステ』だけの方がしっくりくるのではないか…と、見終わった正直な感想。仲のよいカップルは世に数多存在するが、仲がよいのに離婚しようというカップルはそうはいまい。 よく議論に取り上げられる<別れた相手と親
(『来る日も来る日も』の続き) この時間枠で座談会が催された。この後の映画を観ないなら、ゆっくり拝聴しても良かったのだが、その間にあるサイン会に十分な時間をとりたかったのと、食事休憩をかねて退席。↑ 戻ってきたらこんな様子…。時間まで
いやぁ、アツかった…前日初日の雨が上がったためもあるが、会場の熱気だ!近年、フェスが流行りだが、今年からOzzfestも(継続するのか?)開催されることになった。 目玉はオジーが復帰したBlack Sabbath。もうじきニューアルバム『13』が発表になる(13
『来る日も来る日も』 子どもが欲しいカップルにとって、望んでも妊娠出来ない日々は辛かろう。日本でも不妊治療がニュースに載ることは珍しくない。ローマに住むグイドとアントニアは性格も育ちも随分違うが、それでも二人には不満はない…唯一つ子どもがな
『それは息子だった』 郵便局で順番待ちをするさえない男がポツリポツリと語り始める。外では摩訶不思議な光景が繰り広げられる。実話を基に創作された話だというが、ある種の寓話なのだと気づかされる瞬間。 パレルモに住む貧困大家族チラウロ家の家長は廃
(前回の続き) この映画の前に開会式があった。実は開会式に立ち会うのは初めて。駐日大使(上)やらイタリア文化館館長(下:ジョルジョ・アミトラーノ)やらお偉いさんがありがたいスピーチをしている。どこぞの国の格言ではないが、「スピーチとスカート
東京では先週終了したイタリア映画祭2013、今年はこれといった作品があるように感じられないため、最初から絞りました。 一応、目玉と思われる『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』と特別上映『リアリティ』(昨年の東京国際映画祭でも上映されたが)
『恐怖と欲望』 キューブリック監督、本当にすまないと思っている。でも一ファンとしてはやはり観たいし知りたいのだ、あなたが<封印したかった過去>を。 フィルモグラフィーに掲載されながら、監督自身が「アマチュアの仕事」と断言して現存するフィルム
『L.A. ギャング ストーリー』 料理を作る上で材料の良し悪しは大切だ。しかし、どれほど素晴らしい材料が揃っていても料理人の腕が味を左右するのは当然。1940年代にL.A.に実在した伝説のギャング<ミッキー・コーエン>を題材に取り、キャストも一流どころ
『ラストスタンド』 「全米が泣いた!」…もとい「全米ライフル協会が泣いた!」。まるで全米ライフル協会のPR映画かと思うくらい旧態依然とした西部劇を見ているようだった。 アーノルド・シュワルツェネッガーがスクリーン完全主演復帰第一作に選んだとい
かつて日本においてはハリウッドと双璧だったフランス映画も本数は激減している。だが、フランスでは近年これまでにない勢いで女流監督の躍進も目ざましいと聞く。それを象徴するかのような特集が組まれていた。<フレンチ・フィーメイル・ニューウェーブ>