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2018年10月30日21:39

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外来生物について高校生からの質問

高校生が5人やってきて、外来生物に関する質問。質問は事前に見せてもらっていた。が、なかなか手強い。そもそも外来生物の定義が判ってないっぽい。どうも妙な本を読んでるようでもある。というわけで、当日は、準備や資料なしで挑むことに。
ちなみに質問はこんな感じ。

1:その国に適応した帰化植物は問題視されないのは何故?
 どうも古い時代に日本に来た植物のことらしい。

2:外来種は人間にどんな被害を与えるか。
 直接的被害の話なのか、農林業被害なども含むのか不明。

3:環境に害を与える外来哺乳類は?
 環境を改変するという意味っぽい。

4:在来種とうまく共存する外来種はいるか?
5:外来種をうまく利用する在来種はいるか?
 言い方違うけど、同じ内容っぽい。在来種へのプラスの影響はあるかってことでいいらしい。

6:外来種は、個体数が少ない間に、在来捕食者にどうして絶滅させられなかったのか?
7:外来種は、最初1個体でどうやって繁殖できたのか?
 侵入初期の話だけど、膨大な種が持ち込まれて、その内、定着に成功するのはごくわずか。ってことに気付いていないようす。最初は1個体とも思ってたらしいが…。

8:害をなす外来昆虫にはどんなのが?
 いやいっぱいいるし…。

9:古い時代の外来種はどうして問題にされないのか?
 質問1とほぼ同じ内容。外来生物問題の本質を理解していないってことのよう。

というわけで、それなりに勉強して臨んだっぽいんだけど、重要な点を色々知らないことが判明。まとめると
・外来生物の定義が理解されていない。なにより、“人が持ち込んだ”という重要な点が見逃されている。
・ゆっくりと生態系が変化するのは当然として。近年、人の移動にともなって、とても早いスピードで数多くの生物があちこちに運ばれた結果、急激に生態系が変化している。それが外来生物問題の本質ということが理解されていない。
・国内での移動でも、外来生物問題が生じることは知られていない。
・外来生物として定着するもの以外に、おそらく膨大な種類の生物が持ち込まれていることは知られていない。
・外来生物が、在来のすべての生物に害を与える訳ではなく、ある種には害でも、別な種には利益を与えることも普通にあることに気付いていない。

と駄目出しをしまくったのだが、外来生物の定義を理解してからは、けっこう鋭い質問が出てきていた。
・人が持ち込んだ生物が、自力で拡がった場合、それも外来生物か?
・品種改良されたペットや家畜、家禽などが野生化した場合、それは外来生物か?
・絶滅に貧している種を、別の場所に放して保全する場合、外来生物問題は生じないのか?
などなど。優秀な高校生のみなさんだった。
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