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2017年02月08日22:16

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博物館に眠る鳥の死体の未来

というタイトルで話をすることになった。ネタ元は、昨年度やってたアンケート調査。

日本各地の自然史っぽい部分のある博物館や、一部研究所に対して、
・鳥の標本は何点所蔵していますか?
・鳥の死体は何体たまっていますか?
・鳥の死体は誰が標本にするんですか?
・鳥の死体の標本化を市民参加で進めていますか? 進めてみたいですか?
・もし市民参加で鳥の死体の標本化をするなら、何が問題になると思いますか?
てなアンケート。

日本の鳥類標本所蔵トップ10とかが出せる。圧倒的なトップは山階鳥研で、他の追随をゆるさない。それでも約7万点。他は1万点を超えてるのが3施設しかないので、約7300点の当館も第6位にランクインできる。でも、より重要なのは、鳥類標本を所蔵していると答えた95施設を全部合わせても約18万点しかないこと。漏れてる施設や個人蔵を合わせても20万点を大きくは超えないだろう。昆虫や植物に比べて、なんて貧弱な。
ため込んでる鳥類死体トップ10はさらに笑える。なんとこれまた山階鳥研がトップなのだが、我が大阪市立自然史博物館は、国立科学博物館を抑えて、約2500点で第3位にランクイン。嬉しいような微妙な結果。ちなみに死体をため込んでいると答えた82施設の合計は約15000体。こっちも漏れてる施設は多いだろうし、個人が冷凍室にためこんでいるのもかなりの数にのぼるはず。これをきちんと標本化するのが、日本の鳥類標本点数の充実に直結する。
じゃあ、死体の標本化はだれがやってるかと言えば、学芸員がこつこつと頑張ってる感が強い。市民参加で進めている施設も19館あるが、年間に標本化できている点数は少なく、50点を超えているのは2施設だけ…。
どうして市民参加で標本化を進めないんだ! 何が問題になるかという問いへの答えはけっこう多様他を引き離してのトップ3は、
・指導者が確保できない
・安全衛生上の問題
・作業場所・設備がない
これはけっこう大切な問題を含んでいる。作業場所や設備といった先立つものは確かに必要。頑張れ〜、というしかない感じ。安全衛生上の問題は、その気になれば解決できる。実際に実施している館を参考にすればいいだけ。ようはやる気でしょう。指導者の確保は、すでに進めている施設や活動団体に援助を頼めばいいんじゃないかな。その他、けっこう博物館側の体制・意識の問題をあげてるところも多く、博物館ならそんなことは自分で解決しろ!と思わなくもない。
ってことで、作業場所・設備の問題はさておくなら、すでに先進的に進めている館・団体による研修やサポートで、市民参加による標本化はもっと進むんじゃないだろうか? っていう結論。いかがかな?

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