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2020年12月23日12:53

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ドイツ軍参謀の観点からの第二次世界大戦論(8) ノルウェー戦

2.3 Sitzkrieg(座り込み戦争)の終了----ノルウェー戦

(訳者序)
ここは,米英の”勝てば官軍まくれば賊”の論理に留意する必要がある。

<日本語訳>
フィンランド攻撃とフィンランドへの軍事援助について多くの声高のプロパガンダが,西欧民主主義国家で続けらた。結局,彼らは何もしなかった。しかしながら,フィンランド戦線を開くことは,ヒトラをして,北方での本物の脅威に直面せしめた。イギリスは,ノルウェーを占領する陰謀を企てたのである。

もちろん,我々は強力な諜報網をもっていた。ニュールンベルグで告訴されたた我がドイツ軍部隊の多数の陰謀や共同謀議とは異なり,このイギリスの陰謀は,確かに存在した。ウインストンチャーチルは,回顧録に明記している。彼は,イギリス軍が我々より前前に侵攻することを認めた,その後,延期した。その延期により,我々は,数日の差により,かろうじてイギリスをノルェーで打ち破った。

ロシアとフィンランド戦争は,ノルウェーの問題を先鋭化させた。これは,英仏がフィンランド支援を完全な大義名分にして,ノルウェーに上陸し,スカンジナビア半島を横断することができるからである。これは,我々にとって災厄以外のなにものでもない。北海の両岸からイギリス海軍の基地によってブロックされるので,Uボートが封じ込められ,我が海洋進出の息の根が止められる。さらに重要なことには,スェーデンの鉄鉱石を運び込むための冬季航路は,ノルェー海岸沖を通っている。鉄鉱石を取り上げられたのでは,我々は,長期間戦い続けることができなくなる。高等司令部はヒトラにこのリスクを自覚させ,ウェーゼル演習,ノルェーの占領の命令を発した。そして,再び,作戦コード:イエローは,再び延期となった。

嘆かわしい論評であったのは,ニュールンベルグ裁判において,レーダ提督が中立国ノルェーの占領の陰謀で有罪となったことである。そのとき,裁判長の席にあったのは,イギリス人で,彼らも同じ陰謀を行ったにもかかわらず。このような,パラドックスにより,私は誇りを以て,自身のニュールンベルグ裁判での経験に耐えることができ,それは,結局,汚名としてはなく,むしろ,敗戦による政治的な結果であると見なすことができた。もし,戦争の結果が逆であれば,我々は,チャーチルをノルェーの占領の陰謀のかとで絞首刑にできたであろう。そのとき,世界は何と言っただろうか?メスのガチョウのソースがなんであるかは,オスのガチョウのソースでなければならない(訳者には何のことか理解できない)。

我々のノルェーの占領,実際に非常に優勢なイギリス艦隊の下で,意表をついた水上移動であったが,非常な成功をおさめた。しかしながら,ヒトラの指導力ではなく,むしろ,それをないがしろにしたことによるものである。我々は,海上で多くの損害を出した。,後にイギリスへの進行を計画したときに,我々このときに駆逐艦を失ったことが大きな痛手であった。しかし,この損害は,獲得できたものと比較すれば小さかった。我々は,イギリスの機先を制し,遥かに広い海岸線を開いて海上封鎖に対抗し,戦争の残りの期間,スェーデンからの鉄鉱石の供給を確保できた。

[訳者によるコメント]-----個人的見解
理不尽な東京裁判を経験した日本人にとって,ノルェーの占領のに関するニュールンベルグ裁判に対するドイツ参謀の見解は至極打倒であると言える。なお,第1次世界大戦後,ドイツ海軍では,海上封鎖に対抗するために,ノルウェーを同盟国または占領したほうがよいという考えがあったことは事実である。しかしこれをもって,ノルウェー占領を謀略と決めつけるのは無理がある。鉄と石油は,近代国家は,腕ずくでも確保せざるを得ないことからして,謀略説は,”勝てば官軍まくれば賊”の論理にしかすぎないとしか言えない。
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