久々の気付きメモ
やはり大きな転機は7月の「逆S字の構え」だった。
ただ甲野先生の真似をして、というのではなく、フルートに対応した、つまりフルートならではの手の運び方。
もちろん、甲野先生がこの「逆S字」に気付かれたからこそ、ではあるのだけれど、刀とフルートの構え方の違いはどうしてもあり、なので、すぐにおいそれと真似してもねえ、とずっと漬物にしていたものが、寝付けなかった深夜に閃いたというありがたいもの。
ここで、さらに甲野先生の「刀は片手で持つ」も生きている。
両手で持っているようでも、主体は片手で、もう片方はバランスをとるために添えているだけというもの。
私の構え方も同様。
運ぶ時は右手だけで、そして演奏し始めるとそれが逆になり、左手だけに。
右は極力抜いている。
これは9月7日(日)の「甲野先生の課外授業」の折、ヒントをいただき、変化出来た。
昨年、調子に乗ってかなり練習しすぎて、それも踵を上げた改造下駄に乗ったまま「ソの字立ち」でやっていたせいか、年齢的なものもあり、すっかり右膝を痛めてしまい、一時はちゃんとしゃがめなくなり、ピピのトイレのお世話も難儀していた。
でも5月から良い理学療法士の先生と出会い、リハビリを続けてきたお陰で、ようやく以前の状態に戻りつつある。リハビリの関連でインナーマッスルの簡単な鍛え方というのも御教えいただいたが、これを知っただけでも、膝が悪くなってラッキーだったかもと思えるくらいである。
タンギングや発音の時に下顎を緩める、動かす、というピピに教えてもらった気付きもあった。
その後、「痛くならない鼻うがい」のグッズを甲野先生の門人Sさんからお教えいただき、3日毎にやっているのだけれど、これもフルートの響きにはとても良かった。
全てはこうしたことの積み重ねの上での出来事だと思うけれど、9月13日(土)のレッスンの折、とても大きな気付きがあった。
総銀H管の生徒さんが、その日は何故かやたら右に引っ張られていたので、「曲の中にHもないことだし、試しにC足に替えて吹いてみたらどうでしょう?」と試していただいたところ、バランスが改善され全てが良くなった。
「軽いです!」と嬉しそうに仰った。
そうでしょうとも。
H管に関しては、これをもうスタンダートにすればよいと主張している名手もいるくらいで、色々なメリットもあるのだけれど、体型体格、加えて持ち方のセンスに恵まれていない限り、中々ハードルは高いのではないかと思っている。それは、管厚な総銀や金、プラチナの笛も同様で。
ここでふと思ったのは、C管であっても、フルートの形状は人を右側に引っ張るようなところがあるなあ、ということ。
フルートを真横に構えようとしている人達に、「いやいや、斜めでいいんでない?肩もあがらないし」と提案してきているのがザックリいえば私の奏法で、これだけでも結構驚かれているのだけれど、私もまだまだ中途半端な「50歩100歩」だったことに気付かされた。
これは、もうトップシークレットにしようと思っている気付きでもあるし、うっかり真似すると首の故障を呼び込むとても危険なものでもあるので、もう詳細は書かないけれど、今回の気付き、変化でようやく、自分自身の軸と自分の出している音が重なってくれた、という印象が。
そして、それは結果として「差し出さない息」となる。
差し出すと音にならない。
最近、遅ればせながら藤井風の「満ちてゆく」を聴いて涙しているのだけれど、特に、この「手を離す 軽くなる 満ちてゆく」に激しく共感。
これって、そのまま心の断捨離だ。
「差し出さない息」は音楽自体も差し出さない表現となる。
昨年12月末、今年の4月と本番の評判はみなよく、嬉しいのだけれど、と同時に褒められる度に「いや、植村先生の音はこんなもんじゃなかったよ」と一種自身の限界を感じていて、夫が冗談(結構本気?)で言う様に、フルートを売って、それで海外旅行!?も良いかもなんて考えていたくらいなのは、この猛暑のせいだけではない。
それがようやく、というかあまりにあっけなくその瞬間がやってきて、「ああ、これはロット達が『売らないで〜』と授けてくれたのかも?と思う。
ただ、前述したように、本当に首の運び方に技が必要だ。
そして、2004年、新潮社の「身体から革命を起こす」に掲載していただいた、あの懐かしい「見返り美人」(菱川師宣)の振り向き方が必須条件となる。
今日は1時間程、これで吹いたけれど、やはりまだまだ未完成なせいか、右首筋にコリが残る。でもあの音が出せるのなら、まあ良いかとまで思ってしまう。
最近は肩も診ていただいている理学療法士の先生からは「あれ?またコリはじめましたね」と言われ、かくかくしかじかと、その恰好をやってみたところ、「う〜〜ん、とても首には悪そう・・」とお墨付きをいただいてしまったくらい。
ということで、今度甲野先生、そして陽紀先生にお会いした折には、この質問をしたいと思っている。
もちろん自分でも色々と試していくけれど。
首はやや痛むものの、とても幸せである。
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