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2024年03月21日21:43

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KADOKAWAのメディアミックス全史

KADOKAWA(旧角川書店)の社史をようやく読み終わった。2021年11月に無料配布ダウンロードで入手し、少しずつ読んでいたら、2年半以上かかってしまった。

犬神家の一族に始まる一群の角川映画はメディアミックスの先鞭だったし、現在の原作付きアニメの映像化の多くに(そして原作付き実写映画・ドラマも)角川の文字が見受けられる。日本でのメディアミックスを語ることは、角川を語ることに他ならない。

ラノベレーベル群雄割拠時代の電撃文庫やファンタジア文庫など、様々なラノベが一気に角川傘下に入った時、一体何が起こっているのかと世のオタクたちは思ったはずだが、それらの詳細と角川側の思惑も記されていた(そもそも電撃は角川から追い出された人達が作った会社だった)。

いずれにせよ、角川の歴史はマニア(本好き)の歴史であり、ここ30年ではオタク(小説・漫画・アニメ・ゲーム・IT好き)の歴史でもある。もちろん、角川の動きだけでは語れない面も多々あるが、角川抜きに日本のオタク事情を語ることができないこともまた事実だ。

ただ、この社史が公表されたのはコロナ禍の最中で、内容は2019年までのものとなっている。なので、厳しい出版業界にあって常に挑戦をし続ける前向きな姿勢が強く書かれている。その後、会長である角川歴彦が逮捕され、角川の名を貶めることになった後に読み終わって、何とも言えない複雑な気持ちになる(角川春樹を反面教師にしていたんじゃないのか・・・)。

小さなところでは、つい昨年に角川が経営していたアニメのコラボルームを売りにしたホテルが閉業となっている。それも、社史の中ではこれからの挑戦の一つとして記述されていた。観光業はコロナ禍の直撃があったとはいえ、諸行無常を感じる。

ということで、めっちゃ面白い読み物だったんだけど、今はダウンロードできないのかな。社史だから一種のビジネス本として読めるし、経営者の視点は自分とは縁遠いものだけど、自分が楽しませてもらったアニメ等のタイトルがバンバン出てくるビジネス本って、超面白いわ。

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