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2021年12月03日06:56

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さらば鬼平

中村吉右衛門さんがなくなった。
新聞報道などでは歌舞伎役者で人間国宝という
功績を讃えている。

しかし、私にとっての吉右衛門さんは
なんといっても鬼平である。

鬼平犯科帳の原作者池波正太郎は、
中村吉右衛門をして鬼平役に優る役者なし、
とまで惚れ込んだと言われている。

その所作、立ち回り、情に厚く、女に優しく、
悪を憎みながら、悪にも心を寄せる。
吉右衛門さんが演じる長谷川平蔵の人物像は、
原作の鬼平を写し取ったようであった。

脇を固める鬼平を慕う密偵たち、
若い頃からワルばかりしてきた相模の彦十を演じた江戸猫八、
軽業師から盗賊になった小房の粂八を演じた蟹江敬三、
大盗賊の頭、大滝の五郎蔵を演じた綿引勝彦、
など盟友たちも、すでに鬼畜に入ってしまった。

レギュラー陣では
盗人飲み屋の娘で女盗賊のおまさの梶芽衣子
うさちゅうこと木村忠吾の尾身としのり
伊三次の三浦浩一
鬼平の妻の多岐川裕美
ぐらいしかもう残っていない。

二度と鬼平を演じる役者は出てこないだろう。
淋しい限りだ

吉右衛門さんは晩年の立ち回りに、
めっきりと老いを滲ませていたが、
歌舞伎界を背負う重責で
お疲れだったのだろう。

本当にお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。

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