アヴェイロから45分程で、森の中のお城、ブサコパレスに。
一番楽しみにしていたホテル。
元々はカルメル派修道士のための修道院だったのを王様が気にいって召し上げ、自身の離宮として改装したもの。
様々な美しい花が咲く深い森の中に建つマヌエル様式のユニークな古いお城。
御伽の国に迷い込んでしまったかのようでした。
17:00に到着し、夕食ハ19:00ということで、みんなは近くの見晴らしのよい丘へ。
私も参加しようかとも思いましたが、少しでも旅の疲れを取るために、お風呂に入り、部屋でゆっくりすることに。
というのも、18:30から、この王宮のサロンで急遽ミニコンサートを開催させていただくこととなっていたので。
今回、迷った挙句、YAMAHAのYFL212をしっかりと梱包してトランクの底に詰めてきた。
というのも、この1月に風邪をひいて吹かなかった時に、日頃自覚のない、奥底の中の「フルートを吹くために使っている筋肉」がすっかり落ちてしまったことに気付いたから。
自覚のないままに、ラクにラクに吹く様になってしまっていた。師匠のレッスンのお蔭もあり、ようやくまた持ち直させ、さらには甲野先生のお蔭で、また進展もあり絶好調・・という状態なのに、全く吹かないなんて、もったいない!という思いもあり、音は出せなくとも、毎晩眠る前に少しは触ろうと。
実際、夜な夜な音をさせないように、頭部管をくるりとまわして吹いていた。
トランクで運んでしまったけれど、フルートはちゃんとけなげに無事、ということもわかり一安心。
それに、ここの王宮の様々な場所でフルートを構えている写真を撮っておきたいな、とも思っていました。
そんな話をランチの時に、すっかりワイン友達となったIさんにしたら、「え〜〜!?写真だけなんてもったいない〜〜!ぜひ演奏して!ホテルの許可も必要だろうけれど、とにかくまずAさん(ツアコン)に聞いてみましょうよ!」
そんなことは全く考えてもいませんでしたが、もし本当に音が出せたら、とても嬉しい!
と、Aさんに相談したところ、とても驚き、喜んでくださって、すぐにホテルの許可もとってくださり、他のツアーのメンバーにもお知らせしてくださり、食事の30分前にサロンでの30分のミニコンサートが、急遽決まったのでした。
ずっとカトリック教会ばかり見てきていたし、この王宮にもふさわしいので、最初はビーバーの天使のパッサカリア?とも思いましたが、13分とやや長い。
それに、全く音出しなしで、毎晩触れてはいるけれど、ずっとさらってもいない。説得力のあるベストなビーバーを演奏するのはちょっと自信がなかったので、却下。
やはり、みなさまがよく知っているような、小品がよいか、と思い、ビゼーのアルルの女のメヌエット、ロンドンデリーエアー、川崎優先生の柴の折り戸、サザンの涙のキッスを吹くことに。
普段はロングドレスに下駄ですが、今回はリゾート地なので、インド綿のロングワンピースで、微妙に足が見えるので、止むを得ず金のバリーのサンダルも撮影用に持ってきていた。
5分前にサロンに行き待っていたところ、ツアーの皆様全員が、おめかしされていらしてくださいました。もちろん、それはその後のディナーのためなのですが、なんとこのコンサートを後押ししてくださったIさんは着物姿!
それもピシっと涼しげにきれいに着ていらして、半巾帯の締め方もお洒落。後でうかがったところ、着付けの先生をされていらっしゃるとのことでした。
全く音出しの無い本番というのは生まれて初めてのことで、やや心配でもありましたし、せっかくの海外旅行の貴重なお時間を皆様からいただいてしまって、ご迷惑ではなかったかしら?との一抹の不安もありました。
でも最初の一音を吹いた瞬間から、サロンに沁みわたって響くフルートの音と、素晴らしい会場で、暖かな皆様に囲まれて演奏できる歓びとで、すぐに音楽に集中することができました。
ツアーのメンバー以外の西洋人一家もいらして、喜んでくださっていて、最後にはアンコールも。
何がいいかな?としばし考え、全員が絶対に知っているだろうな、とビートルズナンバーのイエスタディに。
忘れられない夜となりました。
皆様、本当にありがとうございました!
3人の写真は、ワイン友達のお二人、Sさん、Iさん。
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