広辞苑を引くと、「裁量」とは、
「自分の意見によって判断し処置すること」ある。
裁量に労働制の3文字をプラスすると
「実際に働いた時間ではなく、あらかじめ決められた労働時間に基づいて
残業代込みの賃金を払う制度」となる。
さて、再び裁量にもどると、自分の意見で判断するのだから、
たしかに勤務時間の決められている従来の働き方を
大きく改革すると言えるかもしれない。
私は、引退するまで広告クリエイティブの仕事を、生業にしてきたのだが、
この仕事は勤務時間範囲で終了することはほとんど無かった。
そこで、30代の始めに独立して、仕事を受注する方法で、
生活費を稼ぐことにした。
その方が、納品日だけが決まっていて、そこまでの時間は
自分の裁量で自由に使うことができ、
納得のいくまで時間を使うことができた。
ただし、これが会社勤務ということになると、
はたしてどうだろうか。
裁量労働制の方が、労働時間が短くなるというが、
それは逆で、私の経験からも
多くの場合はかなり長くなることは、
さけられないだろう。
裁量が本人次第なのか、雇用者次第なのか、
社会問題になっている長時間労働を根本的に解決できる
制度になるとは、どうも思えない。
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