終活に忙しい女房殿。
いまは、茶道具の整理に余念がない。
茶道をやめようというのではなく、たまりにたまった
茶碗などのうち、本当に必要な物だけを残して、
始末しておきたいと考えているようだ。
そんな整理中に、妙な物がでてきた。
女房殿の記憶では、私の父母が亡くなり、遺品を整理しているとき、
茶道の何かに使えるかもしれないとっておいたらしい。
箱書きがあるのだが、用途は杯を洗う、杯洗のようだ。
気になったのは、この杯洗をひっくり返したら、
高台の部分に押された刻印が「徴兵保険」と読めたことだ。
ネットで調べて見たら、明治政府が定めた徴兵制度によって、
子弟が徴兵されたときに、家族に払われる今の学資保険みたいなもので、
加入者がものすごく多い、人気の保険だったと書かれていた。
この杯洗は、錫製で私の祖父(帝国陸軍の士官)が、使っていたようだ。
とすれば、もう100年以上も昔のことになる。
こんな保険が復活するような時代にだけは、決してなって欲しくない
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