生前退位について、思いを述べられた天皇陛下。
噛みしめるような一言一言に、天皇としてのお立場と、
一人の人としての思いが滲じみでているように感じた。
お言葉にはなかったけれど、
天皇陛下が昭和天皇から皇位を継承されたのは、28年前54歳で、
現皇太子は56歳になられ、すでにその時の年齢を超えていること。
現皇太子には女児しかいないことから、皇太子になる方がおられないこと。
このような現実を踏まえて、早めに退位し、現皇太子に継承することで、
生前退位に道筋をつくり、あわせて、昭和天皇崩御によって、
国中が2年にわたって混乱、低迷したことを繰り返さないように、
という強い配慮が感じられた。
民主憲法の下で、人間天皇になられたにも関わらず、
私たち国民は、天皇の人としての立場に思いを抱いたことはあったろうか。
生前退位には憲法改正が必要であり、
天皇のお立場からは、それについて言及することができないことを踏まえて、
国民自身に考えいただきたいと、お言葉の最後を締め括っておられた。
天皇陛下からの問いに、
今度は国民と国家が、答えを出す番だ。
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