古代発火法の大家、岩城正夫先生から小さな包みが届きました。
開けてみると、そこには以前、お約束してくださっていた『鳴子こけし風猫木像』が!
鳴子こけしと、古代発火法の発火メカニズムとは深い関わりがあることを直感されたのは30年以上も前。
それを著書『セルフメイドの世界』に書かれたのは、それから20年後、とのこと。
そして、数年前からは実際に、ご自身で、鳴子こけし製作に取り組まれていたのです。
先生のこだわりは、顔を彫刻すること。
当初は『鳴子こけし風仏像』を創られていて、私も見せていただいたのですが、あまりに神々しすぎて、「・・・先生、恐れ多くて、首を回すなんて、できません・・」とついついコメント。
その仏像の完成度は、かなりのものであったのですが、先生の美意識からすると不満足だったようで、やはり人の顔は難しい、ということで猫になったのだそうです。
さらには、鳴子ですから、音が鳴るためには、硬い木材が適している。でも、彫刻は難しい。
柔らかい木材であれば、彫刻はやり易くなりますが、首を胴体に差し込む段階で首が焼けて細くなってしまい抜け落ちてしまう。
これらの問題が克服できたのは、今年の2月になってから、とのこと。
この『鳴子こけし風猫木像』の完成までに、どれほどの失敗を繰り返していらしたのだろう、とあの沢山の「失敗した口琴」の入ったタッパーを思い出しました。
先生にとっては、その沢山の失敗も次への発見の糧であり、喜びだったのだろうか。
この猫の顔も神々しく、清らかで、思わず合掌してしまいました。
コツコツと真実、本物を追及せずにはいられない、岩城先生の遺伝子が全て注ぎ込まれているかのような像です。
畏れ多くもありましたが、せっかくなので、そっと首を回してみたところ、小鳥の囀りのような音が。
お手紙には記されていませんが、おそらく、この音色も相当追及された結果のものだろう、と思われます。
年内には、また遊びにうかがわせていただきたいなあ、と。
そして、私もこのような「仕事」をしなくてはいけないな、と改めて心を引き締め直しました。
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