音楽家講座の打合せ方々、最近のご報告を甲野先生にお電話しました。
「先生にお教えいただいた、横隔膜を下げる、あの手の内を作り、それをそのまま鍵盤に運ぶんです。で、その形で弾きます。」
「え?それじゃあ弾けないでしょう。」
と10年に渡る音楽家講座ですっかりピアニストの手の形に関しても詳しくなってしまわれた甲野先生がおっしゃる。
「先生、そうではなく、椅子をうんと高くし、手や手首よりも肘を高い位置にし、現在の一般的な、形状ではなく、ピグモンみたいな形のままで弾くんです!
そうすると、陽紀さんが発見された、指先で演奏することになります。つまり、従来の手の形では、親指と小指の側面を使うことになり、指先ではなくなる。
だから、つながりも分断されてしまい、手首も滞るんです。でも、この手の形であれば、全ての指が指先となりますから、指は鍵盤に触れる程度なのに、体全部の重さを伝えることができます。
あくまでも、私の仮説ですが、バッハ一族の身体性は、この甲野先生、そして陽紀さんが気が付かれたそれぞれの身体感覚と、共通しているのではないか、と。」
陽紀さんの大発見(他にも多々あるけれど)『指先』の話で、私のたどたどしい説明でも、ようやく先生にも、このピグモンの手の内が伝わることができました。
スケジュールを決めていただきたのに、先生はまたスケジュール帳を探しながら、のお電話。
私がおかけするときは、スケジュール帳が隠れてしまっていることが多く、それを探すついでに、ということでお忙しい中、お話させていただくことに。
それでは、と携帯電話を傍に置き、変化が顕著なピアノでのビフォーアフターを聞いていただきました。
ゴルトベルク変奏曲のアリア、冒頭数小節。
一回目は普通の椅子の高さで、鍵盤に親指、小指を寝かせておく、通常の手の形で。
何十年もハノンでやりこんできた、親指ありきの弾き方。それでも、昔に比べたら滞りも減り、随分音色も変わった。数日前まではこれで満足していた弾き方。
2回目は椅子を高くし、さらに座布団を半分に折り、「横隔膜を下げる手の内」にし、足も同様にし、親指も小指も指先が当たるようにした「ピグモンの手の内」で。さらに昨日の気づき、舌も同様に。
「先生、いかがですか?違いはありましたか?携帯では、あまり変化がないかもしれませんが・・」
「いやあ、全く違うものですね!」
良かった、と喜ぶ間もなく、続いた言葉は・・
「2回目の方が・・・・・おそらく倍音か何かと思いますが、ずっーと色々な音が、聞こえてきていて、うるさくて・・・汚かった!」
「え〜〜〜!?」
とまさかの発言に思わず爆笑。
「いや、これは携帯のスピーカーでも、これだけ、色々な種類の音を拾ってしまう、ということですよ。つまり、色々なものが、かなり響いている、ということです。本当に随分と違うものですね。」
「はい、まさに、身体の共振だけでなく、ピアノの隅々まで、そして部屋全体が一緒に響いている感じです。ようやく音楽する身体になった感じです。でも、携帯、凄いですね!」
実際自分に聞こえる音は、このピグモンの方が、静かに感じられるほど。でも全身に染み渡るのはわかる。それが心地よく、ずっと弾いていたくなるほどです。
地上の音と天上の音の違いだと思う。
でも、携帯ではうるさくてきたない・・・というのが、いかにも先生らしいコメントで面白かったです。
「これは、フルートでもこれほど違うのですか?」
「もちろんです。体全体が変化しますから。特に私の場合は手首のブロックが大きかったので、大変化です。私の前回の講座の皆様も、一昨日のコンサートでも、皆様、変化されましたよ。」
「それ、本に出来るじゃないですか」
「う〜〜ん、確かに今までの気づきがみな霞むくらいではあるし・・でも技法としてだけなら伝わっている流派は、案外辺境だったロシアのメソードあたりに残っている気もしますね。
アメリカ人(クラッシックではアメリカもある意味辺境だ!?)で、もう亡くなっていますが、ロザリン・テューレックはこの奏法で弾いていて、素晴らしい演奏しているし、レクチャーもされているので。
でも、これがフルートや他の楽器にも通じる身体性をもたらす、とは普通は気が付かないかもしれないですけど・・
バッハが書き残した特殊な指使い、オルガンを演奏している絵姿、陽紀さんの『指先』先生の『横隔膜を下げる手の内』この4つを知ったからこその気付きですから。」
実際、ピグモンはかなりのオールマイティーな手の内であることは確かだと思います。
上達云々、というレベルではなく、本当にピアノが、音楽が大好きになれる、、幸せになれる手の内ですから。
私にとっては魂レベルでの作用があったくらいでした。
先生もそれを感じられて、「本」とおっしゃったのかもしれません。
実際に、私の講座に参加されている皆様にも参加していただき、ピグモンビフォーアフターの感想などインタビューしても面白いかなあ、となんとなく全体像が浮かぶ・・
奏法本、ずっと出したら、という声もあり、私も8万字くらいは書いたものがあるのですが、どんどん変化するし、中々難しい、と思って、もう無理かも、と最近は思い始めていたのですが、このピグモンを中心に組み立てれば、それなりのこの体系の道筋を示すことができるかもしれません。
・・・ちょっと考えてみようかしら・・
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先生は、先生で、発声に関しての気付きがあったとのこと。
こちらも気になるところですが、かなりの大発見らしいので、次回音楽家講座のお楽しみです。
次回、音楽家講座は6月17日(水)19:00〜20:50新宿ドルチェ楽器8階アーティストサロンでの開催となります。
どうぞお楽しみに!
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昨夜の舌の変化、大きかったです。
こちらも、手首同様、まだまだ滞りがあったなあ、と反省。
次回、音楽家講座では、またさらに進展しそうで、今から楽しみです。
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