危うく寝過ごすところでしたが、なんとか間に合いました。
前日に支度しておいて本当に良かった。
一度収まったのに、またぶりかえした暑さが堪えていたせいか、目覚ましを止めて、ぐっすりと眠ってしまったみたいで。
朝9時からのホールリハ。
そんな状態だったので、もちろん音出しも、もちろんチューニングもしないまま、いきなり吹き始めた「五つの抒情詩」一曲目。
澄んだピアノの和音にフワリと載せる第一音めで、一体何が起きたのか?とびっくりしてしまいました。
それは、その後も続いて、最早「ここは何処?私は誰?」とうろたえてしまった状態。
そんな訳で、曲の中でも行方不明になってしまったので、一旦止めてやり直し。
「・・・ごめんね。もう一度御願いします。・・・でも、この初代でホールで吹くのは初めてなんだけど、なんだか全然違うんで・・・一体何事が起きたのか、みたいな感じで、響きを追うことばかりに意識がいちゃって・・」
何年も、何回も使っている馴染みのある会場。
それが、全く別の場所の様でした。
そして6月3日から、ずっと、憑りつかれた様に夢中で吹いてきたこの初代ロットの音。
この夏の暑さのせいもあるけれど、今や、私の一番好きな事、そして場所は、好きなものに囲まれたエアコンの効いた自宅のリビングで、この初代を吹くことで。
なので、日々、変質してきてはいるけれど、この初代の音とも随分と馴染みになってきたはず・・と思っていたのがひっくり返る。
過去の自分の演奏では、ここまでの差はありませんでした。
リビングとホールでの音の違いは勿論あるけれど、ベースとなっている音の本質的なものは同じ。
ところが、今回の初代の響きは、それまで聞いたことのないものでした。
出している時の感覚も全く違う。
本当に、ここは何処?私は誰?である。
普段自分が出している音、つまりリビングで聴いている音とは全く異質な別なものがホールで新たに生まれて勝手に遊びだした、という感じ。
・・・・これ、私じゃない・・・
というのが正直な感想ではあるけれど、無論それは嬉しいことで。
私はただあっけにとられていた、というような感じで、未だに夢でも見ているんじゃないかと思える程。
本当に不思議な驚きをもたらしてくれる笛です。
「・・・これ、凄い楽器だよ・・・」
と仰っていた修復してくださった秋山さんや、リペアマン綾部さん、オケマンTちゃんの言葉が蘇る。
笛自体が持っている、豊かな倍音、響き成分が多いということなのだろうけれど。
これこそが、初代ロットの大きな特徴なのかもしれません。
塚田さん、山本さん、夫々の演奏も、アンサンブルも本当に素敵で楽しい時間でした。
シンプルな音楽の作り方が共通しているのも嬉しい。
あの会場で全開のタグランドで良いバランスで弾けるピアニストは稀有である。
そしてガット弦のチェロの響きには無農薬野菜を添加物の入っていない調味料で頂く歓びがある。
・・・・・・
本日の唯一の大きな後悔は・・・
練習後のランチで、写真につられてうっかり入ったお店の「うな重」が悲しい味だったこと。
私とした事が!!!
まあ、値段も値段だからしょうがないんだけど。
「TVでやってたんだけどね、スーパーのウナギでも紅茶で煮るとタンニンの効果でふっくらするんだって。で、その後、普通に焼くの。」
というウンチク話がつい出てしまった程である。
「紅茶で煮てみよう!」
とお店の人に言いたかったけれど、まあ、もう二度と行かないので、言わない。
「・・味はともかく・・・まあ、スタミナはついたよね!」
とまとめて店を出る。
今度はもっと美味しいもの、一緒に食べようね!
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