岩城正夫 講演会 『人と技術』 〜器用と不器用〜
5月30日(月・祝)19:00 鶴見区民文化C.サルビアH.3階音楽ホール
聴き手:中島章夫・白川真理
間際になり、沢山のお申込みをいただき大盛況でした。
岩城先生の教え子のみなさま、様々な関係されている団体のみなさま、そして中島さんの繋がりの武術関係者、私関係の音楽家・・
全く関係なくフラリといらした方
そして二人の息子さん達。
「二人ともとても忙しいのに、まさか来るとは思わなかったよ」
と先生はとても嬉しそうでした。
1時間ずっとお話し続けている先生のことが心配になってしまったのが、失礼だったくらい先生はハツラツとされ、お元気でした。
結局時間が足りなくなってしまって、中島さんや私が予定していたものとは違ってしまいましたが、」これはこれで、むしろ良かったのかもしれません。
稀有な存在の岩城先生の「ひととなり」を知るということが、そのまま様々なことを考えさせられることに繋がるのだと思いました。
以下の友人からのコメントがとても的確に伝えてくれています。
『子供を見守りながらいろいろ挑戦させて行う伝承、いろいろやりながら一見流されているようだけど実は生き方の筋を通しながらの挑戦の毎日、などなど、直接の言葉で表現しなくても思い出話がそのまま伝承になってしまっていた不思議な講演』
「器用な人間はついつい色んな事を引受けて、それをやってしまうので、大変なことになる」
「器用な人間は利用されやすい」
というのも私にとっては不思議な話だった。
過去の体験をお話くださったのですが、忙しすぎて、胃に穴まで空いてしまうなんて、むしろ生き方としてはとても不器用なのではないか?
器用に生きる人間は、そのあたりを上手くかわし、かいくぐって、いつも安全な場所でしらっと生きているのではないか?
もちろん、先生の手を使った様々な技術が飛びぬけて素晴らしく、様々なことを思い付かれるのも天才的で、器用であればこそだけれど、その結果、飽くことなく試行錯誤し、いくつもの失敗作を作ることが出来る、というのは、むしろ「不器用」だからこそ、とも言える気もする。
器用、不器用の概念の捉え方、様々な相があるのを再認識。
「器用」という言葉の持つイメージは沢山の努力や失敗をすることなく、なんでも瞬時にサっとやってしまうイメージが私の中にはある。
それに対して、「不器用」は時間はかかるけれど、継続することが許される環境であれば、より深く掘り下げ、突き詰めることができるのではないか、と。
先生の「セルフメイドの世界」というある意味、沢山の「失敗報告」でもある本に、かつて私はとても勇気付けられたから。
でも、その突き詰める力というのは、「器用」だからこそ、微細な違いに拘り、発見できるのか?
自分が不器用なせいで、ついつい「不器用」という言葉を善とする思考になっているのかもしれませんが、「器用と不器用」とは一体何か、というお題は、しばらく私の中で燻っていそうです。
また最後の質問コーナーでの小学生(おそらく2,3年?)の質問が秀逸だった。
自分の中に芽生える「欲」とどう付き合って行けばよいか、というまさに、現在の私が抱えている悩みでもある。
彼は、ジャグリングを稽古する中で生まれてくる「もっと、もっと」という欲に困惑しているとのこと。
・・・こんな小学生が居るとは・・
流石、先生の関係者である方のご子息・・
ここでも、生きた伝承が受け継がれているのかもしれない・・・
と驚きましたが、
「う〜〜ん、それは・・・良くわからないね!」
とあっさり笑顔で言いきった岩城先生の答えにもびっくり。
これもまた「実践」による先生からの伝承かもしれません。
確かに、そんなに簡単に答えが出る問題ではない。
それを自分でちゃんと考えるのが大事ということなのか。
岩城先生は最近始めたギターの練習を「もっともっと」と思うところで、丁度、30分くらいでやめる、とおっしゃっていたけれど、こうしたことも常に意欲を持って継続していくためには、大切なことなのかもしれないと考えさせられました。
懇親会は、先生のお年を考慮し、1時間くらいで中締めとさせていただきましたが、大変盛り上がったものとなりました。
名残惜しそうにされていた先生をお住まいのある最寄り駅までお送りして帰宅。
じんわりと、様々なことを「実践」として伝承していただいた、本当に不思議な時間となりました。
岩城先生、お越しくださった皆様、中島さん、お手伝いくださった皆様、
ありがとうございました!!
・・・・・・
(ミーハ余談)
受付でお名前をうかがったら
「岩明均です」
というお返事に思わず顔を上げる。
心の中で「キャ〜〜ッ♪」と中学生の様に叫んでいました。
流石に、サインをもらったり、写真を御願いしたり、というのはグっとこらえて、言わなかったけれど、本当はそうしたかった。
「ファンです。『寄生獣』は、私のバイブルですし『ヒストリエ』の主人公・エウメネスは理想の男性です。」
と申し上げたら、
「ありがとうございます。彼に伝えておきます。」
とのお返事が。
ここでまた心の中で「キャ〜〜〜ッ♪」
またご次男・照明家の岩城保氏ともご挨拶。
先生からは、ご次男のお話もよく聞いていたので、ああこの方が、と感慨深い。
講演の中でも、ご次男のキャッチボールの学びに言及されていた。
鶴見俊輔氏が書かれていた記事はご自身がファンであったご長男の岩明均氏への「父から子へ」の伝承ですが、もちろん、保氏にも紛れなく、一本筋の通った、強い岩城先生の遺伝子は受け継がれ、その伝承は成されている。
『喫煙者を救え!』
http://www.letre.co.jp/~iwaki/smokers/
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