3ヵ月ぶりにいらした常連のマリンバ・Yさんと、今回初参加のフルートのOさんお二人のご参加でした。
Oさんは、昨年12月、代官山ライブハウス『晴れたら空に豆まいて』で、他のライブコンサートを申し込んだ時に、甲野先生の音楽家講座のことを知り、関心を持って、参加されたのがきっかけ。
その折には、主に小関さんの「紐トレ」で、大きく変化され、その後ご自身もさることながら、積極的にも生徒さんたちへのレッスンにも取り入れて、成果をあげられているとのご報告を後日、いただきました。
私の行っていることにも関心を持ってくださって、今回のご参加に。
過去にも何人か、プロのフルート奏者にお教えしたこともありますが、フルート奏者で講師、といういわば同業者の方にお教えするのは、なんとなく気が引ける。
他の楽器の方には感じない、「出し惜しみ」をついついしそうになるのは、まだまだな証拠です。
実際、2013年、日本フルート協会からの依頼で、高松でのフルートコンヴェンションに招聘してくださった時も、とても名誉ですし、こんな異端的な取り組みをしているのに、有難い、とフルート界のふところの広さ深さが有難かったものです。
でも、にもかかわらず、その講座で、当時の私の全てを出し切った時には、言いようのない寂しさを感じたものでした。
いらしてくださったのは、100人近くのプロアマ・フルート関係者。とても嬉しく、ありがたかったけれど、
「ああ、これで、私には、もう何も無くなってしまった。私よりも才能のある人が、私が培ってきたこの技法を使えば、すぐに私よりも、ずっと上手くなってしまうんだろうな・・」
という、小さな悩みで苦しんでいて、なんだか、とても寂しく、泣けてきてしまったものでした。
でも!
今となってみれば、当時の気付き、やり方で、「惜しい!」と思えるものなんて、何ひとつない。
今、これだけ盛り上がっている「スイッチシリーズ」も、今だからこそ、「惜しい」と思うけれど、きっとすぐに、え〜と、なんだったっけ?と忘れてしまうのだと思う。
ということで、「あーあ、プロの笛吹きが来ちゃったか・・」
と、最初こそは一瞬思ったのですが、直ぐにウェルカム!に。
講座では現在の「全て」を伝授。
もともと、関心を持っていらしてくださったし、紐トレである程度心身も変化されて、ふんばりも少ない方でしたので、どんどんとその場で変化していかれ、横で聞かれていたYさんが、あまりの違いに爆笑するほど。
Oさんは、戸惑い、驚きながらも「ずっと吹きやすいです!楽器も軽くなってます。詰まっていたものが抜けて取れたみたいに違います!!」
と喜んでくださいました。
私も、その幸せな音色が聞けて、幸せな気持ちに。
やはり、世の中には、こうした響きが増えた方がいいし、Oさんが、教えた生徒さんたちも、やがてこうして、幸せな音がするのは、とても素敵なことです。
学校でも音大でも、仕事の現場でも、ずっと「勝ち負け」を考えないではいられなかった。
順位をつけられ、選抜があって・・
ある程度、組織運営のためには仕方のないことかもしれないけれど、芸術、音楽において、その「勝ち負け」の思考が、いかに自分の技の進展の邪魔をしていたかに、最近ようやく気が付いてきています。
「勝ち負け」に捕らわれている奏者の演奏には、それが嫌でも滲み出る。
一流の演奏家から聞き取るべきは、その精神の濁りのなさであったか、と最近ようやく気付く。
過去の自分の演奏を振り返ると、冷や汗ものです。伴奏してくださっているピアニストにまで戦いを挑んでいたような20代の日々。フルート同志なら、尚更です。
恋愛すら「勝ち負け」のロジックで動いていたような気がする。やれやれ。
と、様々なことが脳裏をよぎりましたが、この同業者、Oさんをお教えすることで、自分の精神も、少しずつ磨かれ洗われていくような気がして、有難かったです。
マリンバのYさんにもこの「スイッチ」は大きな変化をもたらしました。
今度は、やはり横で聞いているOさんが「音が違う〜〜」と笑っている。
3人でのお茶会も楽しいものでした。
そうそう。連休中に水族館で気が付いたことも。
これは、甲野先生と出会ったばかりのころ、「本当は山伏」の桐朋学園の長谷川智先生からお教えいただいていたことでもあるのですが、それがようやく、13年目にして花開いた。
繋がっていなければ、どんなに良い教えも効果半減ってことです。
魚は全身で泳いでいる。
そんな、当たり前のことが、とても新鮮に衝撃的に、感じられたのでした。
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