あっという間にもう3月。
まだ寒い日も多いですが、桜が待ち遠しい季節となりました。
冬の鬱々から、ちょっと元気すぎるんじゃないの?というくらい意欲的に動き回っていたここ数日でした。
躁鬱の気はあるのかもしれません。
まず、重要な変化を。
これは今回の左圧縮右解放、左が九分で右一分の気付きにも付随することなのですが、構え方がまた変化した。
それも生徒さんの気付きのお蔭で!
まだ初めて一年も経っていない方なのですが、中々センス、耳がよく、昨年の私のリサイタルの演奏でも、何も事前情報がないのに、
「何故曲によって、あんなに音色が違うのですか?別の楽器みたいでした!」
と、左手薬指に付ける指輪の石の変化による音色の違いにすぐに気が付いた、という方。
このSさんに、左手の手の内のことをお教えしたところ、ご自身で工夫されたのが、その構え方。
最初の頃に、私の奏法の原点でもある抜刀の動き(もどきですが!)をお教えしていたことがベースになったのだそう。
今まで、ここ数年の私の構え方は「水月」が基本だった。
それが、すっかり変化。
水月は一旦身体を右に連れていき、左に戻る。
なので、やや右に残る感じがあった。以前の構え方なら五分五分だったので、これで良かったのだけれど、九分一分になってから、違和感があったのは確かだった。
Sさんの工夫と気付きは、左手のグリップのためのものだったのだけれど、そのための脚の運びは抜刀そのもの。
これが私には大きなヒントになった。
・・・つまり・・・
ずっと、「抜いた刀がそのままフルートに」
でやってきていたのだが、そうではなく、
「刀を抜かれた鞘がそのままフルートに」
となったのでした。
まあ、似てるのは刀の方なんだけど。キラキラしてるし。
・・・・・・・・・・・・
これと似たことで、もうひとつ、進展をもたらしてくれたことが。
たまたまみつけたオールドヘインズの総銀。
おそらく80才から90才くらいの楽器。
え?!っと驚く値段の安さでもありました。
これが、とても良かったので、久々に家に連れ戻った。
ビンテージを探している生徒さんが居るので、すぐに連絡。
週末見に来ることとなりましたが、つきあえば付き合う程、なんだか凄い音に化けてくる。
・・これは・・と余程、「私が買うから、もう見に来なくていい」と連絡しようと思ったけれど、それはまあ人の道に外れるし、結局本番で吹くのはロットになるだろうから、家でお茶挽かせても可哀想、と思い、泣く泣くお譲りすることとなりました。
でも、このヘインズと一緒に過ごした数日はとても、楽しかった。
久々にマイファーストビンテージ楽器の洋白の130才のルブレも吹いてみた。
これはこれで、爽やかで繊細で明るい光の様な音がする。やっぱりいい!
ロットで苦戦しているアルビジーの最終楽章のハイトーンの連打もルブレなら、なんてことなく吹けてしまう。もう、これでやろうかな・・
材質、そして管体の厚みがというのは、本当に楽器の音色に影響する。
ヘインズはレギュラーモデルでヘビーなので、濃厚な深みのある音。そして他の二本同様、遠鳴りがする楽器。
川崎 優先生はこのヘインズが大好きで、
「僕のヘインズは虹色の音がするんだよ〜〜」とよく仰っていたけれど、まさにそんな感じ。
川崎先生の音を想い出していた。川崎先生の作品の音は、やはり、ヘインズの音色がぴったりな気がする・・
と、久々にロット以外の楽器を吹いてみてつくづく思った。
音色や響きは楽器が作っているじゃないか!?
「私は演奏者ではなく、カルカントさんなんだ・・」
もちろん、動かしたり、色々とやってはいるのだけれど、感覚としては、指や舌モフルートの管轄下のパーツ。
私は専門職でもあるカルカントさん、裏方に徹する。
演奏者は、フルート。
こんなお話をレッスンの折にしたら、師匠はとても嬉しそうにニコニコされていた。
・・・ような気がする。やっと、わかったか、とでも言いたげに。
そういえば、いつも仰っていた。
「フルートの邪魔をしないように。」と。
あと、そのオールドヘインズのこと、とても惜しがっていた。
「ああ、あの頃のヘインズは今、不当に評価が低いけど、とてもいいよね!」
それもあって、かなり安かったのだけれど、安かったせいで、私も不当に評価を低く見積もってしまって、ついつい生徒さんに紹介してしまった・・という・・
ピッチも全く問題なかった。ビンテージ楽器のピッチの個体差は本当に大きいので、ヘインズは低いからさあ、とか言っちゃいけないんじゃなかろうか・・
あと、値段で判断しちゃいけない・・
という話を購入された生徒さんにしたら、大喜びでした。
あ〜〜あ・・
・・・・・
もうひとつ。
これもレッスンの時に、花粉症の影響もあり、珍しくむせてしまったのだけど、
「喉」に関するご助言をいただいた。
で、すぐに思い出したのが、甲野先生が歌の方にご指導されていた「股覗き」
「ちょっと失礼します・・」とレッスンの最中に試してみたら、あっと驚く大変化。
できてるつもり、というのは、本当に上達の邪魔をする。
他人事ではなかったのでした。
それにつけても、どんどんと奏法がより四足歩行の動物化してきている。
・・・・・
ヘインズやルブレと付き合って、またロットの音色が増えた気がする。
たまには浮気もいいものです。良い相手に限るし楽器に関しては、ではありますが。
今の技量では、まだまだこのロットの力を引き出せていないんだろうな、ということも痛切に感じた。
より広く深い音が出せるはず・・
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