構え方、教え方等の気付き覚書
Cisから始めること。
これは、私の発案ではなく、アルテスのやり方。
本来の「アルテス教本」では最初の一音はCisだった。
通常初心者は左手でしっかり持つ易しい音、G,A,Hから始まるのだけれど、その段階で音が出るようになっていたら、次の段階でCisにチャレンジを提案。
頭部管ですぐ音が出た方には、もう最初からCis.
右小指を離した状態でも試みてもらう。
向き不向き、運不運はあるものの、いつかこれを、と試みることで、少なくとも指でフルートにしがみついてしまうことはなくなる。
左手だけならまだしも、右手が介入するF,E,Dとやってくると、余計に楽器を指で持ってしまいがちに。その間、ずっと楽器を指で持つことを刷り込んでしまう。
だからC,D,そしてCisが出てきた時、とても大変になってしまう。
Cis右小指無しの技は、まずは四の五の言わずに、各自に研究工夫してもらって、その後助言。これは先月から初心者の方、3点支持でずっとやってきた方などにも試みているけれど、結構、みな出来る様になってくる。
楽器の安定というのは、ずっとついてまわる問題だけれど、最近、ようやく
「これ良いかも?」というやり方に気付いた。
とはいっても、私の場合はもう三点支持ではない。
もちろんある程度押し当てる圧などは必要だけれど、顎を支点として左右の腕で前後に楽器を挟んで釣り合わせる、という発想は、本当によろしくないと思う。
腕は器用なだけに、出しゃばりでもあり、大体過剰な力で楽器を持ってしまう。
人間は失敗したくない生き物だし、実際失敗すると困るので、大体、想定している力よりも、少し多めに出力しているのではないか?ということに気付いたのはもう15年ほど前か。
そこで、「天邪鬼の気付き」ということを提案して、「引くつもりで押す」「昇るつもりで降りる」なんてことをやっていて、これは「流石真理さん!」と珍しく甲野先生からファーストネームで褒められたもの。思い返せば、先生が私の名前を呼んだのは、この時の一度だけなので、多分とても驚かれたのだと思う。
三点支持で上手く楽器をコントロールしようと思ったら、この「天邪鬼の気付き」を使って、「引くつもりで押す」とやるのが良いのかな?
力を加えながら、かつ指をとんでもない速さで動かさなくてはいけない、というのはとても身体に悪そうというのは素人だってわかる。
私は出来なかったけれど、三点支持で成果を挙げている笛吹きの場合は身体、そして、腕、指にも浮きがかかっているのかもしれません。
私のやり方が万人向けとは決して思わないけれど、選択肢を広げるという意味で、記すと、「三点載せ」となる。
顎のくぼみ(頤)、左手人差し指付け根、そして右手親指の三点に載せる。
この段階で右小指を離してCisを吹く。
一音なら少し工夫すれば、誰でもすぐに出来ると思う。
ただ前後にフルートを釣り合わせるアルテスセッティングなら、という前提はある。
今まではここまでだったのだけれど、最近「そうだ!もっと頭を使えば良かったんだ!?」と再発見。
頭を使う、つまり頭の重さを載せる、というのは大分前から気付いてやっていたのだけれど、それはフルートの前後だけでなく、左右のアンバランスを釣り合わせて、楽器の重さを軽くするために、とやっていた。
でも、更に頭というか、頭も含む上半身全部でフルートを包むようにして重さを載せることで、楽器がとても安定することに気付いた。
これは地球に対して水平に力を腕で加える重労働の三点支持とは異なって、重力を利用するだけなので、載せる重さに耐える仕事が必要なだけで、それは左腕から下半身に流せばよいので、大きな筋肉を使うことが出来、腕への負荷は減る。
結果、右手を全て離して、左人差し指付け根と、頤だけの「二点載せ」でもCisが吹けるように。
ここまでやってから、右手親指を足して、その後右小指を足して、とやってみると、驚くほど、音も出るし、指もまわる。
こんなやり方でフルートフェスティバルで吹いていたのだけれど、すぐ後ろの植村門下だった笛吹き仲間から「植村先生そっくり!」と驚かれた。
姿勢など、先生の真似をしようと思ったことはない。
けれど、色々と探求している中で結果として似てきた、というのは嬉しい。
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