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2017年09月19日23:32

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寄り道

台風一過、暑いとはいっても、爽やかな秋の風が気持ちの良い昨日、今日でした。

「敬老の日だから、ランチを付き合ってあげてもいいよ〜」

と、いつもの様に、恩着せがましく夫に提案。
以前、偶然通った道で見つけた、ずっと気になっていた住宅街の中にある中華料理のお店に行きました。

薬膳の、クコ、鳥やアワビ、白キクラゲなどの入ったスープや半年ぶり?のフカヒレなど堪能し、まったりとした熟年夫婦二人の休日を存分に味わいました。

中華街よりも、私達の好みに合っている薄いけれど、奥行きのあるしっかりとした味。

寄り道で見つけた美味しい中華レストランです。



・・・



今日は朝から練習。

ドレスとアクセサリー、紐、下駄、全て本番通りにしての練習です。


母が好きだったこともあり高校を卒業した頃からよそ行きの、とっておきの洋服は全て芦田淳でした。
生地も仕立てもデザインも小柄な私達母子の好みにぴったりで、流行もあまり関係なく長く着られるのも良かった。


四角いシルクオーガンジーの襟が3枚重ねられたウールの喪服のIラインのワンピースや、シルクの緑のブラウスは今も活用しています。もうざっと40年になるのか・・・・

残念ながらスカートは当時よりもウェストが6センチ、腰回りは計り知れない程、増えてしまったので・、みな処分してしまいましたが・・

でも、どれも、息子が小さい頃までは活用していました。


最近は、流行もよりカジュアル路線ですし、似合うものも変化してきたので、すっかり芦田淳の洋服からは遠ざかってしまいましたが、昨年の10月、デパートをうろついていて、催事のコーナーに飾ってあった、タイシルクのワンピースに釘付けに。

その立体的で、ふっさりとした丸みを帯びた仕立ての良さに、久々に芦田淳の洋服のことを思い出したのでした。

大概、こうしたアジアの布を使った洋服は、仕立てやデザインが今一で残念なことが多いのに、このワンピースは、本当に良い仕立てで、美しいものでした。

試着してみると、残念なことに、胸のあたりがブカブカ。

「お直しもいたしますよ。これを縫ってもらっているのは、昔、芦田淳のところにいた縫い子さんですから、お直しも、綺麗にできますよ。」

「やっぱり!?昔は良く着ていたんですよ。」と驚きつつも話は弾む。

「本当はワンピースよりもタイシルクのロングドレスが欲しいんです。既成品でもなくはないけれど、ウン十万だし・・」

「御作りすることはできますよ。

本当のオーダーというとお値段が張ってしまいますが、お手持ちのドレスをお持ちになっていただければ、そこから採寸して、型紙とって、もっと安い料金で同じものを作るのは可能です。

ただあまり複雑なものは無理で、極々シンプルな形となります。

それでしたらお値段も、このワンピースと同じくらいで、いいですよ。
芦田淳をお好きだった、というのもご縁ですしね。きっと縫い子さんも喜ばれるでしょう。

ただ通常の仕事以外の時間で頼むことになるので時間は少しかかります。
完成はおそらく来年の2月くらいです。

それでよろしければですが如何でしょう?」

との嬉しい提案。

「構いません!来年の秋に間に合えばいいので。」

と御願いして出来た、ティファニーブルーのタイシルクのドレスが送られてきたのは2月の寒い日でした。

とても嬉しくて、部屋に活けていた梅の花も私の興奮が伝わって、より香りを放ったかのような気がし、思わず一句。


「新しき衣届きて梅香る」


余った生地が付いて居たので、それを自分で縫って、夫との婚約指輪にした母から受け継いだ一文字のダイヤの指輪を留め金にして、サッシュにしました。
地味過ぎて普段活用する機会があまりない指輪ですが、これがピタリとはまりました。

寄り道したからこそ出会えた私だけのドレスは、とても気心地がよく響きも良い。


・・・・・・

アクセサリーはトリファリのパリュール。ビンテージのコスチュームジュエリーの世界を知ったのも、これらが響きを助けてくれて、楽器の重さまで軽くしてくれるのを知ったのも、たまプラーザでの寄り道で見つけたアンティークショップとの出会いがきっかけでした。

ちなみに、コスチュームジュエリーマイブームはもう卒業。
とはいえ、チェストの引き出し一杯になった様々なコレクションは、ロングドレスでの装いを引き立て、響きに陰影を与えてくれています。

今回のモデルチェンジで大幅にパワーアップしたので、より響きに深みを出すために、ダイヤとプラチナのペンダントも重ね付けに。デザイン的にも丁度中央先端にダイヤが収まるし。

トリファリの素材であるトリファリウムはアルミベースの合金なので、若干軽い。
ラインストーンが沢山なので、それなりの重さはあるけれど。

ああ、これがみんな本物のダイヤとプラチナだったらいいのにな・・・

と思わなくもない。

ウン千万?

でも、それ以前に重すぎて、笛の響きは抑えられてしまうだろう。
今の私のレベルでは。




・・・・


演奏を助けてくれる紐は、太いとドレスに響いてしまうので、とても細いシルバーを、お臍の位置に巻き、腰の後ろで尻尾にして床に垂らす。あとは、足裏、足首にも。そして下駄。

練習の時に砂原さんが蠣崎さんに言いつけました。

「白川さん、下駄履くんだよね。」(砂)

「え!?そうなんだ・・」(蠣)

「だから、本番では、これっくらい背が高くなるの」 と30センチくらいを手で示す砂原さん。

「いやいや、いくらなんでも、そこまでは・・一本歯下駄じゃないから。」(白)

「・・下駄・・・持ってるけど・・」(蠣)

「・・・真似・・したい?」(白)

「・・いいです・・・」(蠣)


「その尻尾みたいな紐は?」(蠣)

「あ、本番ではドレスの下に隠れるから大丈夫。気にしないで。ま、アースみたいなものかな。」

「え?電気逃がしてるの?」

「いや、そういう訳じゃなくて。何が逃げてるかはよくわかんないんだけど、なんだか響きがいい気がするの。この方が。」

「ふ〜〜ん」

と、下駄履いたり、紐付けたりしている変な笛吹でもお付き合いくださっているお二人には本当に感謝です。

もちろん、下駄じゃなくても、紐がなくても、それなりに演奏は出来るのですが、やはりこれらを身に付けた方が、ずっと深みのある響きになるので、やはり私の奏法には欠かせない「道具たち」です。

これらに出会えたのも、古武術、甲野善紀先生のお蔭で、いわば、これも私の「寄り道」の成果。



・・・・・

本日の練習の後、ふと生乳のソフトクリームが脳裏に。

ということで、いつもは夫と車でチャーっと行くケーキ屋さんまで歩いてみました。
私の足だと片道30分くらい。

4キロ痩せてから歩くことが楽しみになっています。
バッハタッチで歩くと身体中の関節やら骨やらが喜んでいる感じ。

念願の生乳ソフトクリームを食べ、お土産にケーキも買って、帰途に。

ふと、寄り道してみたくなり、脇道にそれて歩いてみたところ、小さな公園に。
その公園脇には小川が作られていて、木々に囲まれた小さな散歩道が整備されていました。

元々あった林の木々を活かしたようで、大きな木というのがいい。
深々とした濃い木陰の中に居ると、ここが家から数十分というのを忘れてしまいそう。

いつも車で通る道と並行して、少し奥まったところに、こんなロマンチックな小径があったとは!?

まだ青いけれど、どんぐりも落ち始めていて、木やコケの香、小川のせせらぎも心地よく、様々な花も咲いて、これって、まるで蓼科みたい?

と20年近く暮らしているのに、今日初めて知った素敵な小径。

プーランクの「愛の小径」を口ずさみながら、時折通る犬の散歩をしている人達、犬達に会釈。

徒歩15分くらいの道でしたが、小旅行した心地で、すっかりリフレッシュ出来ました。

今度の休日には夫を誘って一緒に歩いてみようと思います。


・・・・




おっと、その前にコンサート。

幸い、22日はお天気も良くなりそうです。

考えてみると、このコンサートも34年前、ミュンヘンに「寄り道」したからこそのご縁で実現することができた訳で。

なんだかフラフラしてばかりで、ついつい楽しそうな方ばかりに流されてばかりで、こんなのでいいのか?と反省することも多いのですが、寄り道人生、中々良いものかもしれません。


寄り道が増えた分、楽しいことも増えて、出逢う人も増えて、感謝することも増えるのだから。







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