2本のフルートを持参しました。
5代目銀と初代212.
初代212モデルをホールリハで試したところ、すぐにパルファンメンバーのコメントが。
「・・こっちが好き・・」
「ラクそうだよね〜」
そうなんです。フルフルする残り香のような水滴のような残響も、このホールにはぴったりだし、なんてったって、ラクである。楽器が軽いから。
トロワパルファンとしてのトリオの音も、私に今までよりもゆとりが生まれた分、よりまとまりやすくなった気もします。
新作を委嘱したフルーティスト・作曲家の渡辺厚さんが聴きにきてくださっていたのですが、
「いや・・ご馳走様です!思っていたのより、本当に、ずっと良くて素晴らしくて、何より、こちらの意図を全てちゃんとくみ取ってくださっていて・・」
と最初は放心状態に近い状態での、大絶賛。とても喜んでくださり一安心。
もちろん、細かい様々な修正などもありましたが、この曲はとても私達トロワ・パルファンに似合っていると思います。
4回目のコンサート、つまりトロワ・パルファンも5歳になった。
去年よりも、さらに一蓮托生、運命共同体的なひとつの生き物的なまとまり感が芽生えてきている手ごたえを感じています。
・・という訳で、気持ちはもうすっかり初代+YAMAHA212綾部モデルに傾いていました。
・・・
翌日は師匠の下でのレッスン。
初代の頭部管をお見せしたところ、「ああ!マイユショーは、本当に良い音するよね〜」と眺めて、
「うん。悪くないね。」
これは5代目のマイロットをお見せした時と同じ言葉。
つまり、とても良いじゃない?ってことである。
でも、ピカピカに光るYAMAHA212のボディをご覧になった時に、一瞬戸惑われたような気もしたのは、私の気のせいか・・
事情をお話し、このフルートでソロのバッハのトッカータとフーガをお聴きいただいた。
私としてはより響く替え指も駆使し、さらにはユトリも生まれた絶好調の演奏だった。
驚いていらっしゃるに違いない・・と演奏を終えてお言葉を待っていたところ・・
「雑念が多すぎる」
的なコメントで久々にガツンとやられてしまいました。
つまりはユトリがある、ということは、扱いやすいということ。その扱いやすさはやはりYAMAHA212のボディがもたらしているもので、ついつい、その誘い水に乗ってしまい、吹き過ぎてしまっていたらしい。
「どう?凄いでしょう?」感もダーダー漏れだったかも・・
この初代212綾部モデルは調子に乗りやすい私には中々危険なしろものでもあったのです。
特に、こうした大曲のソロの場合は特に。
「より精神性を持って。深い部分で集中して。音の支えというよりも、音楽の、気持ちの支えをより深いところに持って。」
と叱られ、確かに調子に乗って浮ついていたよな、と反省。
オリジナルのロットであれば、拒否していたであろう息、音が出てしまっていたらしい。
その後先生が、この楽器で吹いてくださったのですが、
「あれ?随分といろんなこともできるじゃない?音色ももっと変えられるはずだね。」
とのこと。楽器に関しては一応許可をいただけた。
おそらくアンサンブルでは、周囲とのバランスを考えつつの演奏なので、丁度よかったのかもしれません。
でも、ソロは・・頑張り過ぎちゃったのね。
そうなってしまうと、
・・・ボディの212がでしゃばってきてクーパーの臭気がただよっちゃう。
この日は、舞い上がって、そちらよりになりかけていた私をたしなめるべく、何度も「ほら、こんな音じゃ誰も聴いてくれないでしょ?」
と悪いお手本も吹いてくださったのですが、
「先生、それって、世間一般では多分、凄く『良い音』って言われる音だと思いますよ。」
と思わず言ってしまったくらいの魅力的な音でした。
でももちろん、その後で吹いてくださった音は、全く別物で、まさに、先日のコンサートで聴いた「魂に聴こえる音」
まだまだ私の耳も酷いもんだ、と深く反省したのでした。
ということで、その後色々と試して、目下以下のようになりました。
多久潤一朗 / Trois Parfum は、3番でもあり機動力が必要な作品なので、初代212にアクアマリン。
藤枝守 /植物文様 は2番で低音域で、音色の変化も欲しいところ。どちらでも面白そうなのだけれど、この直後にソロがあるので、同じ楽器に、ということで、5代目銀に翡翠。
バッハ/トッカータとフーガのソロは銀の五代目に翡翠。
調子に乗って吹き過ぎないように、重めの仕様に。
この難しさが、より集中力を増してくれるような気もする。
初代の頭を吹くことで、随分とこの5代目の音も変化した。
渡辺厚/ Trois Parfum 2017は 3番で雅やかな曲なので、初代212に真珠。
アルビージ /小組曲第2番は、1番で最後のWタンギングの嵐があるので、初代212で決まり、と思っていたのですが、ホールリハの録音を聴くと、下手の定位置だと音が突きささり過ぎて、どうも今一。で、本日5代目で試したところ、こちらでも、同じ感覚でWタンギングの連打も対応できるようになっていたので、5代目にすることに。高音シのピアニシモは、何故か、むしろ、5代目銀の方が出しやすい。
アルビージはほぼ1番がメロディーで高音域も多いので、深みのある銀の方が、良いかな、ということで。5代目にアクアマリン。
なんといっても、5代目はもう10年程吹いている。お付き合いは長い。
そういえば,、うっかりすっかり失念していたけれど初代212を吹き始めてから、まだ数日だった・・
「僕はね、この初代鳴らすのに20年かかってるんだよ。」
とも叱られた。そういえば。
初代の頭に浮かれて、あまつさえYAMAHA212をくっつけて、すぐに本番、なんてことは師匠からすれば、軽薄なふるまいに他ならないかもしれません。
・・・・白川、一体、何考えてるんだ?といったところかも・・
でもでも。
この楽器ならではの良さは本当にあるので、つまり私が調子に乗りさえしなければ、本当に素敵な響きなので、今度の本番でぜひとも使いたい。
マイユショー初代と白銅YAMAHA212の響きもなかなかのもだよ、と。
「すみません!先生!新しいもの好きなんです。」との言葉に苦笑いしつつも、初代212のさらなる可能性もお教えいただき、アンサンブルであればいいんじゃないの?とのお言葉を引き出すこともできたのでした。
良かった!
ログインしてコメントを確認・投稿する