8月は夏休みをいただいていたので、2カ月ぶりのレッスン。
久々にお会いした先生はとてもお元気そう。
久々にお聴きするロットの響きは、さらに焦点が絞り込まれた、研ぎ澄まされた輝きを放つ。
この数音が、新たな指標となる。
ここ数日のモデルチェンジ、特にアンブシュアの大変化のお話しをし、「すみません。まだ変化したばかりなので、構えるまでにちょっと時間がかかります。」
と、ゆっくりやらせていただく。指さし確認してから発車する電車みたいな感じでもあります。
リサイタルの最後の曲、プロコフィエフのソナタを聴いていただく。
「すみません。本当に、あんまり自分には聴こえなくなってきたので、これでいいのかな、とは思いつつも不安です。今日は、まずは、この音で進んでいって良いかどうかを伺いたいと思ってまいりました。」
「・・ああ、だいぶんね・・・」
ふんふん、とうなずいてご承認いただき一安心。
「自分に聞こえるようじゃあ、大きすぎなんだよね。」
と笑われる。
とはいっても、ただの小さな音ではしょうがない。このあたりの判断が本当にとても難しい。
音に関しては、とりあえずはOKをいただいたものの、まだ奏法のお作法や手順に意識が奪われているせいで、曲がやや散漫になってしまったとのご指摘を受ける。
「もちろん、古典的なソナタ形式ではあるのだけれど、この曲はただそれだけだと、つまらない。
テーマごとのキャラクターをもっとよりはっきりと打ち出してみたら?そういうの得意じゃない!」
・・・ああ、そういえばフェルーの時は得々とキャラ設定して物語にしたのだっけ・・
確かに、プロコフィエフはバレエ音楽も沢山手がけている物語を紡ぐ作曲家でもある。
さらには、エッフェル塔が歩き出す、という奇想天外な小説まで書いている。
「プッチーニのオペラの様に、テーマごとのキャラ分けをはっきりと設定するのですね?」
「そうそう。なんといってもあちらの音楽にとってのオペラというのは格別のものだからね。」
ということで、ただのABCという分析ではなく、得意の?キャラ設定に取り組むことに。
他にも舌、喉に関するいくつかのご助言をいただく。
・・・・・・・・・・・・
帰宅途中、文房具屋さんで色鉛筆を探していたら、日本の伝統色の色鉛筆というのに遭遇。
淡い繊細な色に一目惚れでした。最近は本当に色々あるものなのですね。全部揃えたくなってしまいますが、私がみつけたのは、この色辞典のvol.6のライトグレイッシュトーン。
http://www.tombow.com/products/irojiten/
子鹿色、柳葉色、と色の名前も雅やかです。
譜めくりしなくてもいいように、楽譜を縮小コピーしてつなぎ、早速テーマごとに、色塗り。
そして、自分なりのキャラ設定を。
これを全楽章で行うと、その作業の中での新たな気付きもあり、さらに楽曲がより魅力を増してきた。
全てが目に優しい色で霧のように色がかかるので、楽譜の邪魔にならないのも良いです。
・・・・あとはさらうだけ・・
以下、副題もテーマのキャラ設定も、全て独断によるものなので悪しからず。
これらのイメージを持つことによって心が変わり、身体が変わり、音が変わる。
師匠は仰った。
「僕は、最終的には同じ音量でピアノからフォルテまで吹きたいの。それは可能だと思っている。物理的な音量ではなく、音色、表情での変化でそう聞かせる。」
そういえば、音量(音程?)なんて錯覚だ、音程(音量?)なんて幻想だ、と以前から仰っていらしたっけ・・
第一楽章・・・ロシアの大地
淡いブルーの呉須色はロシアの大平原とその上に果てしなく広がる青空
緑がかった水晶色はそこに芽吹く草木
柔らかなブラウンの子鹿色は豊作・収穫を願い祝う農夫の踊り
高貴な鳩羽紫は大地を寿ぐ女神
色鉛筆を使わないモノクロームの部分は戦争の足音、爆弾投下の音
第二楽章・・・サーカス
くすんだ黄色の柳葉色はジャグリング
呉須色は空中ブランコ
煙ったオレンジの渋紙色はピエロの登場
抹茶色はピエロのダンス
鳩羽紫は女神
水晶色は鏡の国の煌めき
第三楽章・・・夕べに
渋紙色は徐々に暮れていく夕暮れの風景
呉須色は心象風景
両者が入り混じる箇所は両方の色を重ねて
最後はまた夕暮れの景色に。
第四楽章・・・パリ
柳葉色は歩くエッフェル塔
渋紙色は弾むエッフェル塔
猫柳色は歓喜に沸く人々
呉須色は平和が戻った青空
子鹿色は失われたものへの追慕・追悼・悲しみ
釣鐘草は愛の告白・慰め
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