「ひざ裏というのは急所です。ここを強く蹴り上げられると、息が止まってしまう場所で・・」
とかつて、甲野先生が仰ったひざ裏。音楽家講座での個人指導で、この言葉を何度うかがったことか。
甲野先生と出会うまでは、私も、この講座に参加される殆どの音楽家、同様、ひざ裏をピンと伸ばしたまっすぐな足で演奏していました。
そもそもハイヒールでひざ裏ゆるめる、なんてみっともないじゃないですか!
足は少しでも長く見せたい、という美意識。
普段よりも高くて華奢な舶来の特別のハイヒールを履いてロングドレスで舞台に立つ、というのが当たり前であり、マナーである、とすら思いこんでいたあの日々・・・
その後、足裏を平にするために下駄を履き、それだけではない下駄の効用に気付き、もっぱらステージではロングドレスに下駄。裾を長くしておけば、隠れてしまってさほど悪目立ちしないですし。
男性奏者はその点、気の毒です。
タキシードに下駄は、私だって、「それはどうかと思うよ。」と言ってしまうと思います。
名手、ピアニストの砂原悟さんは、裸足でやりたい、との主張が関係者一同に通らず、カンフーシューズで演奏していらしたけれど・・
足裏が平になって一番変化したのは、このひざ裏の状態でした。
まっすぐに見えても、緩みが生まれる。
そして、ここ数年は基本が「屛風座り」ですから、さらに緩んでいる状態。
身長は普段よりも10センチくらい低いのではないでしょうか。
まあ、下駄でその分かさ上げできるので、結構スラっと見えるかも。
今回の変化、特に「なんちゃってはるか」以降、横隔膜、肋骨の動きが変化し、前方にグっと出るようになったのですが、これは、ひざ裏がゆるんでいればこそ、ということに生徒さんのレッスンで気が付きました。
笑ってしまうくらい、動く範囲が違います。
あ!本当ですね!と、すぐに仰る生徒さんの殆どは男性、そしてお子さんたち。
「あれ?」とよくわからない様子なのが女性、つまり踵のある靴を履いている大人の女性ばかりだったので、あれ?と。
自宅でのレッスンの生徒さん達は女性でも、すぐに「おお!」と。
男性もお子さんたちもみな靴底は平です。自宅レッスンは靴を脱いで、生徒さん達は寒くても、スリッパを自から脱いでレッスンを受けられている。
踵のある靴を履いたままでも、膝が前にでない立ち方、蔵王権現、屏風坐り、ぶりっこ持ち、舌でモグモグ(キリンと命名しようかしら・・)なんちゃってはるか、はそれなりに出来ますが、この肋骨の動きの差を「おお!」と感じるのは難しい、ということを発見。
音楽教室ではやはり靴のままでのレッスン。
特に高いハイヒールという訳でもなく、歩きやすそうな上品な程よい高さと太さの踵の靴をみなさん、履いていらっしゃるので、まあ、脱ぐまでもないかな、と今までは思っていたのですが・・
今度はレジャーシートを持参し、訳を説明して、承諾していただければ、ぜひ靴を脱いで、この身体の不思議な変化を体験していただきたいな、と思いました。
そうすれば、大きな風船がしぼむことなく、ずっと胸に入っていて、身体を浮かせてくれている。
さらに、その横隔膜周辺から腕がのび、指のコントロールまで横隔膜が司ってくれている。
これらを味わうための大前提はひざ裏。
なるほど、急所なんだ・・・
と改めて、甲野先生の言葉を思い出した次第です。
あと猫の様に、とはまいりませんが、瞬時に振り向く遊びをやってみるのも面白いです。
膝裏がピンとしている状態では外側だけが固まって、中がグズグズなので、振り向けない。へたすると首にくる。とても危険です。
膝裏を緩めてもなんちゃってはるかではない、普通のリラックスした状態では、中も外もグズグズなので、首にはこないけれど、バラバラと動く。
でも膝裏を緩め、なんちゃってはるかになれば、外が緩み中が繋がるので、ネコっぽい動きに。
膝裏ピンでなんちゃってはるか?
外が固まっていると、中もより固まってしまって、そもそも動けないでしょ、という驚きの結果に。
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