獲得メダル数が過去最高の41個。
重量挙げ、水泳、柔道、体操、卓球、バトミントン、レスリングと、
陸上と日本選手の活躍は目をみはるものがあった。
中でも、お家芸といわれながら、
このところずっと低迷していた柔道復活について取り上げてみたい。
全階級でメダルを獲得するのを計算していたかのように、
柔道競技がすべて終わったその日の夜、NHK・BSで
「日本柔道の復活・井上康生監督の涙」と題する特集を組んでいた。
それによると、低迷脱出の鍵は強化策の発想を
国際的な格闘技の視点に切り替えたことにあったと指摘していた。
具体的には、柔道に強い国の選手の筋肉強化策、
それぞれの国の格闘技の特性などの情報を世界中から収集、分析して
日本選手に育成にあたったというのだ。
格闘技としての柔道への転換が奏功し、
全階級でメダル獲得する快挙へとつながった。
しかし、“道”とあるように、本来の柔道は、
スポーツであってスポーツにあらず、格闘技であって格闘技ではない。
五輪メダル獲得のために、
柔よく剛を制すが、剛よく柔を制すとなり、
柔道の本分が失われてしまっていいものだろうか。
興業のために打ち出した国際化策によって、
モンゴル勢に席巻されている大相撲と同じ道を歩んでいるようで、
いささか、釈然としない気持が残る。
ログインしてコメントを確認・投稿する