いつの日か、西武ドームのバックネット裏で心ゆくまでプロ野球観戦をしてみたい。この十六年間、毎年ファンクラブに入ってまでライオンズを応援し続けているぼくはそういう日が訪れることを心待ちにしていた。
昨日、それが叶った。シーズン・シートを確保している会社に勤めている友人が誘ってくれたのだ。やったー！ 持つべきものはモジョ友達である。
勝敗を気にせず、純粋にプロ野球観戦を楽しんだ。というより、そうせざるを得なかった。だって今年のライオンズは開幕から一カ月も経たずにBクラスが決まってしまったから。負けることに慣れておくことも無駄ではないと考えるほかない。
Bクラスに決まったと名言する理由は、現在最下位だからではない。開幕してからこれまでの戦い方にある。直前のホークス三連戦すべてでサヨナラ負けを喫したが、それだけのことではないということだ。
今シーズン、昨日までにライオンズは25試合を戦っている。そのうち15試合が1点差ゲームである。半分以上が接戦ということだが、ライオンズはこの15試合を3勝12敗と大きく負け越した。打線がふるわないとかリリーフエースがいないという指摘もあるが、ぼくに言わせればこれだけ接戦に弱いというのはチームに実力がない証拠なのである。
キャンプで何をやっていたのかと腹立たしい。だがキャンプからオープン戦にかけて、今年のライオンズの練習は厳しいというニュースは一度も聞けなかったから、まあこんなものだろうとも思える。昨日の試合も1対2の1点差でファイターズに負けたが、負け方が最悪だ。相手の先発の山��投手は120キロ台の変化球主体のピッチングなのに、反対方向を狙えという指示すら出ていないのか、各打者は引っ張ってばかりいた。そして与えた決勝点はエラー絡みだった。ぼくは打てない打者より無策なベンチの責任だと思う。今年のライオンズはBクラスだと名言するのは、ベンチの無策は簡単に改善されるものではないからだ。
そんな愚痴はともかく、今回重要なのは特等席のことだ。
バックネット裏のチケットを持っている者しか入れないエリアがある。飲食店とショップが立ち並んでいるのだが、展示コーナーもある。そこには西鉄ライオンズ時代からのチャンピオン・フラッグが飾ってある。すぐ近くで鑑賞できてうれしいのだが、こういうものは誰でも見られるようにした方がいいと思う。三年前まではドームの天井の縁に沿って張られていた。ぼくは球場を訪れるたびにペナントを見上げ、数々の名勝負に思いを馳せたものだった。球団はそういう筋金入りのファンの心情に応えるべきだ（また愚痴になってしまっている）。
これで妻と一緒に観戦した試合は十二勝八敗になった。
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