幕内最下位、前頭17枚目の尊富士が
大阪場所で大暴れして、13勝2敗をあげ、
実に新入幕で110年ぶりの賜杯を獲得した。
14日目の朝乃山との対戦で右足首を痛め
千秋楽の出場が危ぶまれていたが、
それをも克服しての優勝は賞賛できる。
ここ数場所、前頭の関取が連勝し、
10日あたりから慌てて番付上位との取り組みによって
星つぶしをしてきた。
これもここ数場所のことだが、
大関陣が不甲斐なく、お互いに星のつぶしあいがつづき、
中日での勝ち越しがめっきり減っていた。
今月の大阪場所も同様に上位陣の星が伸びないまま
前頭17枚目の尊富士が10日まで勝ちっぱなし、
連勝を止めるために刺客として組まれた大関琴ノ若戦にも完勝。
ようやく12日目に大関豊昇竜がなんとか土をつけたが、
翌日の若元春もあえなく敗れた。
なんともだらしのない上位陣だが、
これは尊富士が強すぎるのだろうとしか思えない。
けれんみのない正攻法な取り口で、勝ち方も美しい。
これが実力かどうかは、まだ未知数だが、不甲斐ない上位陣を脅かし、
世代交代を感じさせる本格派の関取登場は、
相撲ファンとしては大歓迎するところだ。
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