【じょやみぐも】
女闇蜘蛛と書くようだ。地方によって「やみいざない」「やみさそい」と呼ぶところもある。女と頭に付いているのは、この妖怪が男だったという話もあるからだが、男の妖怪の目撃例は極端に少ない。
出没場所は、都心郊外寒村問わず。狙われるのは、たいてい男の子で、男の子が一人でいるところにフレアーのロングスカートの女が近づき「ブラックホール見たい」と、尋ねる。男の子が「見たい」と、答えると「じゃあ、見せてあげる」と、言ってスカートをたくし上げるが、スカートの中はどんなに明るい場所でも真っ暗闇で、それを見た男の子はその中に吸い込まれ、二度と帰らない、と言われて子供たちの間では、たいそう恐れられている。もし子供が「見たくない」と、答えると「どうして、私が醜いから」と、怒ってその口が裂けその口の中の闇に吸い込まれることになる。
男の子が「もう少し大人になってからにする」と、答えると「いい子ね」と、言って飴玉をくれる。ただし、その飴玉はしばらくした後で見ると、手の中で蜘蛛になっている、あるいは、その場で捨てると落ちた飴はそのまま蜘蛛となって逃げると言われている。そして、男の子は何事もなく帰ることが出来ると言うが、その話を親にするとその夜から蜘蛛に襲われる悪夢しかみなくなるとも言われている。
江戸妖怪篇はこちらで
http://www.rokumeikans.net/yokai/yokai_01.html
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