先日の「二・二六事件」に次いで、
昭和24年から4年10ヶ月の間に、
象徴天皇の語られたお言葉を、
側近が記録していた「拝謁記」をNHKが取り上げた。
「二・二六事件」同様に第一級の資料と評価されたその内容は、
天皇が国の内外に戦争について反省と謝罪のことを述べたいと
したが、吉田首相にそれを断られたこと。
国民が望むなら、いつでも退位する気持があること。
さらに、ソ連の存在を念頭に、旧軍の復活はゆるさないが、
憲法を改正して再軍備は必要であること、
さらに米軍基地の存在を認めるなどの発言があった。
これらの発言を首相らに伝えたいという気持を示し、
側近から、政治的発言を禁じた新憲法を理由にたしなめられる場面もあった。
戦後、昭和天皇の戦争責任について問う声は多かったが、
拝謁記を見る限りでは、責任をとらせなかった政治的配慮が
強かったように思える。
いずれにしても、復興優先で戦戦争責任を曖昧にしたことは明白で、
それが令和に至るまで尾を引いているとしたら、
戦後処理はやはりまだ終わっていないともいえる。
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