国境なき記者団が毎年発表している
「報道の自由度ランキング」で日本は今年67位、
アメリカの48位、韓国の41より低い。
何でもランキング発表すればいいというのではないが、
それにしても日本は低い。
ところで、名古屋のトリエンナーレ表現の不自由展が
3日で終わった事件。
展示された「平和の少女象」が慰安婦象の作家と同じであることから、
河村名古屋市長の「どう見ても国民の心踏みにじる云々」の
発言があり、大村愛知県知事の「市長の発言は憲法違反」の反論あり、
そして、ガソリン携行缶を持って行くぞのテロ脅迫に屈した。
国の予算がついているのに、という批判もあったが、
予算が付いたからといって、
展示会を国のためにやっていたのでは意味はない。
はてさて、どうしてこんなに混乱するのだろうか。
表現の自由は何をしてもいいわけではないという河村市長の発言も
テレビのコメンテーターを務めている志らくの「人に不快を与える」
発言も、表現の自由の本質を理解しているとは思えない。
だが、ひとつだけはっきりしているのは、
表現の不自由展を主催者に、それなりの覚悟がなかったことだ。
報道の自由、表現の自由をを獲得するために、
人類は多くの犠牲を払ってきた。
だが、今回の主催者はまるで世間の風潮に忖度するように
あたふたと展示を中止してしまった。
こうした態度に、展示作品を引きあげた外国の芸術家もいる。
日本の報道の自由度が低い理由は、
今回の主催者のように、
反発や批判に対する覚悟の弱さがあるのではないかと、
思えてならない。
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