賃金は本当に上がっていたのか、
それとも下がっていたのか。
不正統計問題を追及している予算委員会での
内閣の答弁を聞く限り、さっぱり分からない。
野党が試算した毎月勤労統計によると、
実質賃金が11か月中9ヶ月下がっており、
それを根本厚労相は認めている。
ところが、安倍首相は名目賃金は
上がっていると反論するばかりで、
どっちが正しいかといえば、
どちらも正しいことになる。
まるで禅問答だが、例えば5年前の賃金(名目)が20万円で、
手取り(実質)が18万円だったとする。
アベノミクス効果で5年後の賃金が23万円になったが
手取りが17万5千円だったら、賃金は上がったのか下がったのか
という議論が延々と続いているわけだ。
アベノミクス効果で名目賃金は伸びても、
物価高で実質賃金では、下がっている。
景気回復の実感がないという、
庶民の気持ちは、こうした数値でも示されているのだが…。
安倍首相が実質賃金で議論したくないのは、
現実から目を逸らしていたいだけのことなのか。
ここにきて、不正統計の見直しはするけれど、
政府はその結果については公表しないという
禅問答は、延々続くことになりそうだ。
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