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2017年04月29日19:20

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バリケードの上にて-猫上まゆ写真集(005)

「子供よ。私にはわからない。善も、悪も、英雄も、盗賊も、すべてを巻き込み、おし流す大旋風の中で
何がおまえをこの戦闘にかりたてたのかを、だが私はいう。
お前の何も知らぬ心こそ、最もけ高い心なのだと。」

ヴィクトル ・ユーゴー「バリケード の上にて」(桂圭男訳)より

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僕は、高校2年生のときに編集にかかわった「生徒会評論誌」の扉となるページに、この言葉を引用した。桂圭男氏の『パリ・コミューン』(岩波新書)に書かれていた言葉だった。もともとは、ユーゴーの「恐ろしい年」という詩集の中にあるものらしかった。

どうして、この言葉を選んだのか。

18歳の僕は、たぶん、将来の「大人」になった自分に対して、何かを主張し、あるいは弁明したかったのではないかと思う。

自分が「何も知らぬ」ことは、充分に分かっていたのだと。

あるいは、齢をとった自分に対して、
「お前は何か分かったのか」
と問いたかったのかも知れない。

自分の「子供」ほどにも齢が離れた若者と話をするとき、ついつい、彼らの「若さ」について説教くさい話をしたくなることがある。そんな自分に気づいたときには、この詩のことを思い起こすようにしている。
彼らの「気高さ」を傷つけぬように。

高校生の僕は、岩波新書の『パリ・コミューン』を、何らかの熱を持って読んだのではないかと思う。今、その本は、僕の手元には無い。今、読んだら、どんな感慨を抱くだろうか。

このユーゴーの詩については、大島博光氏の『パリ・コミューンの詩人たち』(新日本新書)という本でも取り上げられているようだ。今度、読んでみたい。

■血の週間(11)ユゴー「バリケードの上で」
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/blog-entry-1784.html
■パリ・コミューンの詩人たち
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/blog-entry-1427.html

■(mixi版)猫上まゆ写真集
004-芥川の誕生日(2017年03月01日)
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