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2017年04月03日06:07

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科学を疑う

私たちの生活に豊かさをもたらしたのは、
科学の力に負うところが、大きいことは否定できない。
その科学技術の粋を集めた一つが、原子力発電所だといわれている。

だが、過去3回にわたる大事故によって、
科学技術への疑問が一気に深まった。
米国のスリーマイル島、ソ連時代のチェルノブイリ、そして福島。

日本はエネルギー政策のベストミックスとして
原発をベースロード電源に位置づけ、
福島原発事故以来、停止されていた原発の再稼働が進んでいる。

原発再稼働には、地元のみならず国民の反対が多く
各地で再稼働停止の訴訟が起こされているが、
3月29日、大阪高裁が関西電力高浜原発の停止処分を
覆す逆転判決を下した。

その判決文で、山下裁判長は、原子力安全規制委員会が策定した
新規制基準について「(福島原発の)事故原因は未解明な部分も残っているが、
最新の科学的・技術的知見に基づいて策定された」と指摘している。

最新の科学的・技術的知見が信頼できないからこそ、
事故原因が解明されないままの再稼働への反対があるのではないか。

この知見を信じないで、何を信じればいいのかという意見もあるだろうが、
こと原発に関しては、事故が起きたら取り返しがつかない
想定外の被害をもたらすことを、6年前からずっと目撃し続けてきたはずだ。
にもかかわらず、一裁判官に、「最新の科学的・技術的知見」に基づくから、
安全であるという判断をまかせていいものだろうか。

科学とは、最新だろうと超最新だろうと、所詮、人類がつくったものだから、
基本的には、過ちがあるという前提で疑ってかからなければならない。

原発は、科学者が太陽の営みを原子炉の中で再現しようと計画で、
いってみれば、科学という人智を超えた大それた発想に基づいている。
太陽に向かって鑞の翼で挑み、溶けて落下したイーカロスのように、
無謀な挑戦だったことを、私たちは気づくべき段階に
きているのではないだろうか。

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