『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』

『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』

　『アウトロー』の続編だが、日本ではメインタイトルが違うので別物みたいにも見える。（『96時間』のパターン？）

　トム・クルーズのもう一つの人気シリーズ『ミッション・インポッシブル』と差別化をはかるように、荒唐無稽さよりも古典的なアクションが見どころ。
『ラストサムライ』のエドワード・ズウィックと再びタッグを組んだのも嬉しい点。（二人の相性はいいような気がする。）

　元軍人だったが、今は放浪生活を送るジャック・リーチャーが闇の犯罪に巻き込まれてゆく。
“もしかして娘かも”という少女と出会うのだが、事件のキッカケに軽いナンパがあるので説得力は感じる。（笑）
一匹狼のジャックが疑似家族の形を取りながら悪事を暴く形にさらなる続編化も期待してしまう。
この手にありがちな安っぽいラブシーンがなかったのは良かった。

　ミステリータッチの展開だが、謎解きはとりわけ珍しいわけではない。
だが、最後まで緊張感をもって見せるあたりはさすがの手腕だと思う。
ジャックは観察眼が鋭く凄腕なのにところどころ抜けている点はご愛嬌といったところか。（笑）

　将軍役のロバート・ネッパーなどの脇役も適役だが、強敵ザ・ハンターを演じるパトリック・ヒューシンガーが何よりも魅力的。これまであまり大きな役には恵まれなかったが、今後は活躍が増えそうだ。