作家の内田百�了瓩呂△襯┘奪札い任海Δい�趣旨のことを書いている。
「最初に新幹線がある。
本来は、たとえば東京から名古屋へ急いで行かねばならない人のために新幹線が出来る。しかしいざ完成してしまうと、そのようではなくなる。つまり、なまじ新幹線があるために東京と名古屋の日帰り出張が可能になり、過密スケジュールを組むことになる。
そのスケジュールは新幹線がなかった時代には生まれない。新幹線が発明されたからこそ生まれたスケジュールなのだ」
これは現代社会にも大いに当てはまることで、たとえば戦後しばらくは家電製品も普及しておらず、洗濯一つとっても何時間もかかる大仕事だった。それが洗濯機が普及して主婦がその苦労から解放されたから楽になったかといえば、そんなことはない。あいた時間を利用して他の用事をすることになり、結局忙しさは変わらない。現代だって、パソコンやケータイ電話の普及で革命的に生活が便利になったが、そのせいで生じたわずらわしさに振り回されている。
人生とはそういうものかもしれない。何かを目指し、そこにたどり着いた気になっても、そこがゴールとは限らない。たどり着いてしまったがゆえに見える風景が広がるからだ。結局、ゴールなどない。
しかし、どうせキリがないのだからといって手を抜いていいというものでもない。村上春樹氏だってこんな意味のことを言っている。
「人は一生をかけて何か一つのことを追い求める。しかしそれを獲得できる者は少ない。しかも、もし獲得できたとしても、ひどく傷ついていたり、致命的に損なわれていることも多い。しかし、それでも人はそれを追い求める。なぜなら、それをやめてしまったら、生きている意味そのものがなくなってしまうからだ」
毎年年末になると大勢の人が「この一年は早かった」と言う。ぼくも言う。ぼくの場合は年々加速して早くなっているのを実感する。
それは、人生でできることなどほんの少しだけだと解釈できる。ビートルズが歌っているように「Life is very short. And there is no time」である。
だからこそ、手を抜かず、自分なりのやり方で続けるしかないのだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する